「あるのに使えない予算」という建付けに、財務省への自民の不満が爆発

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ジャーナリストの須田慎一郎が12月5日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。第2次補正予算について解説した。

「あるのに使えない予算」という建付けに、財務省への自民の不満が爆発

※画像はイメージです

満足のいくギリギリのライン ~第2次補正予算

飯田)12月2日に成立した第2次補正予算についてです。一般会計の総額は28兆9222億円だということですが、どうご覧になりますか?

須田)総額ベースとしては、満足のいくギリギリのラインだと思います。いまの日本の景気が悪いのは、供給能力に比べて需要があまりにも弱すぎるからです。

飯田)供給に比べて。

須田)よく言われている需給ギャップについては、20兆円弱という試算が出ています。これを埋めていかないと日本の景気はよくならない。これだけの真水ベースが出てきたことは、評価していいのだろうと思います。

「予算はあっても使えない予算」という建付けに ~自民党内で不満が爆発

須田)先週末から補正予算に対して、自民党内で不満が爆発しています。確かに金額は積み上げたのだけれども、中身を精査すると使いにくく、「使えなくしているのではないか」という話です。

飯田)使えなくしている。

須田)使うためにはいろいろな条件があって、その条件が厳しいために、なかなか合致しないという。「予算はあっても使えない予算」というような建付けになっているのではないかということで、自民党内で不満が爆発しているのです。

飯田)あっても使えない。

須田)背景には、財務省サイドは赤字国債の発行などを抑制したい思いがあるのです。結果的に使い残しが出て、「これだけ使い残しがありましたよ」ということで、例えば次年度の予算や補正予算に対してけん制しようとしているのではないか。わざと使えなくしようとしているのではないかということで、自民党内で大きな不満が爆発しています。

「結局、必要なかったではないか」という財務省キャンペーン

飯田)少し前、2021年の補正も使い残しがあったということが大きく報じられ、それを本予算に組み込むなど、使えないものばかりではないかという感じでしたが、今回もその懸念が大きい。

須田)きちんと予算を積んだのだけれども、「結局、必要なかったではないか」という財務省キャンペーンですよ。

飯田)そういう方向に持っていこうとしている。

須田)新聞はその通り報じるわけですから、「無駄な予算」という印象操作をしようとしているのかなと思います。どうなっていくのかをきちんと見ておかないと、防衛予算の財源問題なども含めて、場合によっては党内政局になりかねない話になります。

飯田)防衛予算の編成を睨んで、しきりに無駄な歳出の組み替えのようなことを言うではないですか。そのときに、この辺りの何兆円というお金が候補になってくるわけですか?

須田)そうなのですよね。財源をとりあえず次年度では入れておくという。

飯田)いまのうちから、ある意味での隠し金と言ったらさすがに言葉が悪いですけれども、隠れ予算のようなものをつくろうとしている。

須田)そうなのですよ。

飯田)基金などの話が今回、多いですものね。

須田)あれは本当に使えないですよ。

飯田)足もとの経済対策のはずなのに、どうしてこうなってしまうのでしょうね。

須田)お金を使えば景気がよくなるのだから、「使えよ」という話なのに。

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