「右翼と左翼なら、右翼のほうが話しやすい」 元捜査員が明かす秘密のベールに包まれた公安警察の実態

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警視庁公安部の元捜査員、勝丸円覚氏が12月12日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。テロリストやスパイなどから日本を守る公安警察の秘密のベールに包まれた実態について解説した。

「右翼と左翼なら、右翼のほうが話しやすい」 元捜査員が明かす秘密のベールに包まれた公安警察の実態

警視庁

テレビドラマなどで描かれることも多い公安警察だが、そのベールは謎に包まれている。公安警察の監視対象はカルト教団をはじめ、右翼団体や左翼団体など多岐にわたる。誰もが名前は知っているが、意外と中身を知らない公安警察とは一体どんな仕事をしているのか。20年にわたる警察官人生の大半を公安部で過ごした勝丸円覚氏に聞く。

辛坊)左翼団体と右翼団体では、どちらがより監視すべき対象ですか。

勝丸)それにお応えするのは難しいですね。ただ、左翼団体は一般的に警察の人間とは口をききません。右翼団体の中にも警察の人間とは口をきかない団体もありますが、口をきく団体のほうが多く、警察を好きな団体もあります。

辛坊)えっ? 警察のことを好きな右翼団体があるんですか。

勝丸)警察は体制側ですから、どちらかというと右寄りです。日の丸を尊重したり、君が代を大切にしたりするところでは一致しますからね。そうしたことから、右翼団体の人間のほうが話しやすい傾向にはあるかもしれません。あくまでも、「どちらかを選べ」と言われたらの話ですけれども。

辛坊)どの団体を監視対象にするか、誰が決めるのでしょうか。例えば破壊活動防止法で指定団体になっている場合は明らかに監視対象ですが、グレーゾーンの団体もありますよね。

勝丸)根拠になるのは警察法2条(警察の責務)です。公共の安全に危険を及ぼす恐れがあると、警察庁や警視庁の幹部が認めた場合、注意力を持って監視することになります。

辛坊)例えば一般市民から「監視したほうがいいのでは」と通報があった場合は、どうなのでしょうか。

勝丸)日常的にタレコミは非常に多いです。電話やメール、ファクス、匿名の書き込みなどを分析班が精査し、監視したほうがよいと判断した場合、掘り下げていきます。場合によっては実際に見にいったり、会いにいったりします。また、近所の人に話を聴きにいくこともあります。

辛坊)例えばテレビやラジオの番組に出演している人の中にも、右翼系や左翼系の人はいます。そうした著名人の中にも、本人は気づいていないけれども実は公安警察が監視している人がいるのでしょうか。

勝丸)平素から気にかけていた人がテレビやラジオの番組に出演したというケースはあります。

辛坊)そういうときは、メモをとったりするわけですね。

勝丸)はい、メモをとったり、録画や録音をしたりします。

辛坊)逆に、テレビやラジオの番組での発言内容から監視対象となるケースもあるのでしょうか。

勝丸)まれにあります。例えばテレビの討論番組などで過激な発言をした場合、その発言内容を問題視するグループから狙われる恐れもありますからね。身の危険があるケースです。また、「そういう思想の持ち主だったのか」ということで注目することになった人もいました。

辛坊)私は大丈夫ですか。

勝丸)私の知る限りでは、大丈夫です。

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辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

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辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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