中国が北大教授を解放~日本も「スパイ防止法」を整備すべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月18日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。反スパイ法違反容疑で中国当局に拘束されていた北大教授が解放されたニュースについて解説した。

中国が北大教授を解放~日本も「スパイ防止法」を整備すべき

中国で拘束されていた北海道大教授が帰国したことについて、会見する茂木敏充外相=2019年11月15日午後、東京・霞が関の外務省 写真提供:産経新聞社

中国、北大教授を解放も依然多数拘束

 

安倍総理)岩谷北海道大学教授が拘束されて以降、帰国に向けて働きかけを行って参りました。無事に帰国され、ご家族の皆さまと再会できたことはよかったと思っております。

 

中国当局が反スパイ法違反などの容疑で拘束していた、北海道大学の岩谷將(いわたに・のぶ)教授が15日に解放された。中国側は教授が容疑を認めた上での保釈だとしているが、正式逮捕や起訴は見送られる可能性が高い。

飯田)来年(2020年)、このままで行くと国賓で習近平国家主席を迎えるなかで、それも難しくなるぞ、と言ったという話も報道で出て来ております。

須田)この件に関しては、いろいろな問題を含んでいます。大前提として、中国は法による統治が成立していない国だということを認識すべきです。司法、裁判所や捜査当局が中国共産党の指揮下に置かれていて、独立した存在ではありません。だから、共産党や政府の恣意的な思惑により、今回がそうかは別として、このような逮捕が行われます。そうして起訴された裁判が公正・公平に行われているのかというところを見ても、非公開での裁判がとても多い。スパイ罪になるのでしょうが、公安的な罪においてはほとんどが非公開、つまり検証のしようがないのです。実際に行われたことなのか、それが罪に当たるのかを外部からチェックすることができません。今回の日本政府の対応は正しかったと思いますが、だからといって来年の来日を盾に取って、それで釈放されるのもおかしな話です。

飯田)そんなことをしなくても、そもそも拘束するなよ、という話ですものね。

中国が北大教授を解放~日本も「スパイ防止法」を整備すべき

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

日本もスパイ罪を整備すべき

須田)法による統治が成立していない国なのだということを前提に、この問題だけではなく、中国との関係について考えるべきではないでしょうか。習近平氏を国賓待遇で来日させることがいいことなのか。もう1つ指摘しておきたいのは、スパイ罪についてです。日本にはこの種の法律がありません。ないために、非常に不公平な状況に置かれているのではないのかということです。反対派も出て来ると思いますが、スパイ防止法はたびたびスポットを浴びた法律でもあります。報復のためではありませんが、そういった法律の整備は必要なのではないかと思います。

飯田)対内諜報というような、諸外国では常識として備わっているはずですよね。

須田)今回の教授がスパイを働いていたとはとても思えませんが、仮に働いていたとすると、諸外国のケースで言えば、スパイの交換という方法をとります。こちらもそういう法律があって然るべき理由で身柄を拘束しておかないと、交換という形での釈放を求めることができません。スパイ行為をしないことに越したことはないけれど、諸外国が日本国内でやっていて、日本が「スパイ天国」と呼ばれている以上、そういう法律は整備して公正な対応を取るべきだと思います。

飯田)今回は中国の社会科学院が招聘して、北京まで来て貰った教授を逮捕する、というとんでもないものですよね。

須田)日本がこれをやったらどうなるか、ということですよね。

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