北海道大学教授を拘束~日本政府の弱腰な対応を見透かしている中国
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。北海道大学の教授が中国で拘束されたというニュースについて解説した。
中国、北海道大学教授を拘束~スパイ容疑か
北海道大学で教授を務める40代の日本人男性が9月に北京を訪問した際、中国当局に拘束されたことがわかった。教授は外務省・防衛省・防衛研究所に勤務歴があり、反スパイ法などに問われている可能性がある。
飯田)国立大学の教授と言うと、準公務員に当たり、そういったポジションの方が拘束されるのは初めてのことです。民間人を含めると、30人くらいが拘束されているのではないかと言われていますが。
弱腰な日本政府の対応
須田)もちろん民間人だとしてもそうなのですが、準公務員ということですから、尚更のこと、国が前面に出て中国側と対応すべきだと思います。習近平体制になってから、こういう締め付けがエスカレートしているのではないかと思います。その一方で、対中国との申し入れに関しても、日本政府の対応が弱腰過ぎではないでしょうか。どちらかと言うと経済優先になってしまって、このような問題がおざなりになっている気がしなくもない。その辺りを考えると、どこまで本気で取り組むのか心配ですよね。
飯田)日本人の感覚からすると、最近は外交で日中雪解けなどと言ったりするではないですか。仲よくしていれば、こういう問題も解決するのかと思っていたら、中国は新たにこういうものを出して来るのですよね。
須田)おっしゃるように、日中関係が改善すればこのような問題がなくなって、日本と中国の関係が対等になるのかというと、必ずしもそうではない。中国の方から次々とこのような問題が提起されて来ると、日本もいままでのような融和外交でいいのだろうかというところを、考えてみるべきだと思いますね。
飯田)それこそ日中友好の美名の下に、仲よくすればこういうことも解決すると言っていた人たちもいるけれど、一体どういう気持ちでこのニュースを見ているのだろうなと思います。
スパイ防止法がない日本
須田)ましてやスパイ活動、情報収集活動に関して言うと、日本は建前上では外国に対して一切スパイ行為をしていないと言っていますが、現実にはやっているのです。公の建前のところではそう言っていても、水面下で現実的な対応を取るのであればいいのだけれども、日本は水面下での現実的な対応をあまりとらないのですよ。その辺が少し心配ですね。
飯田)国民が拘束されたとなると、こちらも泳がせている人物を捕らえて、交換する形で解決することを選択肢として取る国もありますよね。
須田)拘束というのは、よほどのことがない限りやらない、禁じ手の1つでもあります。そうすると飯田さんがおっしゃっているようなことが起こって、とめどないところまでエスカレートしてしまう状況もあります。それを「日本はやって来ない」と見透かしているところがあるのではないかと思います。なぜかと言うと、日本はスパイ防止法がないからです。それを摘発するような法的根拠がないのです。一方で中国はその手の法律がありますから、バンバン捕まえる。その辺りでも非常にアンバランスだと思います。
飯田)ここも議論しなければならないのに、国会ではほとんど取り上げられない。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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