キャスターの辛坊治郎が12月14日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。同日開かれた自民党の税制調査会の会合で、防衛費増額の財源確保に向けた税制措置の対象の1つに、たばこ税が盛り込まれたことに対し、「取りやすいところから取るだけのこと。少数派の狙い撃ちは、民主主義の下でやってはいけない」と苦言を展開した。
自民党の税制調査会の会合が14日に開かれ、防衛費増額の財源確保に向け、法人税とたばこ税、復興特別所得税を税制措置の対象とする方向性で確認した。復興特別所得税については、現在は2037年とされている期限を延長する代わりに、一部を防衛に利用する案が出た。
辛坊)もめている防衛費問題の本質については、ここではいったん置いて、別の視点でお話ししたいことがあります。自民党の税制調査会が防衛費増額の財源とした、たばこ税についての話です。税金が足りなくなると、財源としていつも白羽の矢が立つのが、たばこ税です。私はたばこを吸わないから個人的にはどうでもいいんですが、明らかに政治的に取りやすいところから取るというやり方です。民主主義で、こういうやり方はやってはいけないことです。
私はしばしば、こんな例え話をします。国民全体の2割が青い目で、8割が茶色い目だったとします。その国で、ある政治家が「今後、青い目の人からだけ税金を徴収する」という法律案を出したとします。民主主義では多数決で決めることになりますよね。そうすると、青い目の人は2割しかおらず少数派ですから法律案は可決され、圧倒的多数派である8割の茶色い目の人は税金を払わなくて済むことになるわけですよ。
このように、多数決とは怖いものです。ですから、「反対されても、数は知れている」と少数派を狙い撃ちするやり方を私は大嫌いなんです。たばこを吸う人は今、圧倒的に少数派です。「たばこ税を上げることにより、たばこの消費量を減らし、健康状態も良くしよう」といった理屈は、いくらでもつけられます。しかしながら、結局は取りやすいから、たばこ税から取ろうとしているだけですよ。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)