「増税」の話ばかり出てくるのは、政権が弱く「財務省が復活」しているからか

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ジャーナリストの鈴木哲夫が12月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田政権の経済対策について解説した。

「増税」の話ばかり出てくるのは、政権が弱く「財務省が復活」しているからか

※画像はイメージです

議論が浅かった経済対策

飯田)今国会も12月10日の会期末で閉じようとしていますけれども、今国会のテーマの1つとして補正予算、総合経済対策がありました。

鈴木)官邸サイドも「経済対策は支持率浮揚のための非常に大きなカードである」と言っていました。岸田さんも「前例のない経済対策を」と強調していたではないですか。

飯田)強調していました。

鈴木)世論調査でも経済対策や社会保障は上位で、国民の関心もありました。しかし、議論も浅かったし、あの補正でよかったのか。額ありきで、どうも上滑り感があるのです。

飯田)額ありきで。

鈴木)よく言われますが、予備費や基金にお金が出ている。そこに回すよりも、まずはいま直接、国民1人ひとりに実感のある経済対策はどうなのだという話です。エネルギーは確かに電気代などを補助するけれども、それは来年(2023年)の話であって、いま既に上がっているものへの対応はどうなのかと。

世論調査で「経済対策に期待しない」の数が多い

鈴木)なぜ消費税が下がらなかったのか。軽減税率だけでもいいのですよ。生活必需品についてはゼロにするということをやれば、国民1人ひとりに届く経済対策になりますよね。「税収が減る」と言うけれど、ざっくりした計算ですが、消費税を下げると約13兆円が減るのですよ。

飯田)13兆円。

鈴木)13兆円と言うと、今回の補正に入っている予備費と基金、使い道がなかなかチェックしにくい部分を足すと、13兆円くらいなのです。だから先を見越して少しキープし、「先に使うね」とすれば、「行ってこい」になるわけです。消費減税してざっくり13兆円。そちらをやった方がいいではないですか。私はそう思うのだけれども、だから国民に届かなかったのかなと。「経済対策に期待しない」という世論調査の数字が多いのですよ。

政権に求心力がなく、財務省が強くなっている ~増税の話ばかりが出てくる

飯田)新聞などでも「防衛財源不足分は増税」と出ていたりして、「税金の話が逆になっていないか?」と思います。

鈴木)防衛費の議論も絶対に必要だと思います。

飯田)「すぐに増税の話ばかり出てくる」というイメージになってしまいますよね。

鈴木)政権が弱く、「財務省が復活しているのではないか」と感じませんか? それはやはり、政権の求心力が落ちているからだと思います。官僚が強くなってしまうわけですね。

飯田)官高政低と。

鈴木)そんな予感がします。

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