柏原竜二 歴代の「山の神」を振り返り「正解はないんですよ」
公開: 更新:
1月1日(日)、スポーツライター金子達仁がメインパーソナリティを務めるラジオ番組「The Deep」(ニッポン放送・毎週日曜20時~20時20分)が放送。富士通株式会社・東洋大学OB・元「山の神」 柏原竜二が出演。箱根駅伝山上りの5区で4年連続区間賞を獲得した柏原が、5区の山上りの適性を語った。
一流アスリートたちをゲストに迎え、スポーツの面白さや、アスリートの心の奥底にある想いを届けていく番組、「The Deep」。柏原は、東洋大学進学後、4年連続で、箱根駅伝5区を走り、区間新記録を3度更新。「山の神」と称された。大学卒業後も駅伝などで活躍し、2017年に現役を引退。現在は富士通株式会社で強化運動部の支援に励みながら、公演イベント出演なども行っている。今回番組では、山上りの適性を聞かれた柏原は、「気持ちの差」だと答えた。
金子:散々聞かれていることかもしれません。山上りの適性っていうのは、どういうところに表れるんでしょうか?
柏原:もう気持ちです。やりたいか、やりたくないかって気持ちだけですよ。本当にそうだと思いますよ。人の気持ちで、どうとでもなると思っています。上手くなりたい!とか、そういう向上心っていうのが1つあると思うんですね。いくら下手な人だって、向上心があれば上手くなる可能性だってある。可能性の話ですよ。上手い人だって、さぼっていれば、堕落していくし、その差だけですよ。本当にそれだけだと思います。
金子:本当にそれだけ?
柏原:そう思います。見てみてください、箱根駅伝。山を上っているような人なんて、十人十色じゃないですか。初代山の神と言われている今井さん(初代「山の神」・今井正人選手)や僕がいて、神野君(3代目「山の神」・神野大地選手)の3人の走り方を並べてみてください。全く走り方も違うんです。
金子:そうか……。
柏原:正解なんてないんですよ。本当に正解なんてないと思います。正解を作りたがるんです、人って。
金子:欲しい。うん。
柏原:結果論、正解しかないんです。
金子:で、その適性がある選手を持っていって勝ちたいと思っちゃう。
柏原:もちろん、ある程度の適性もあると思うんですよ。ゼロじゃないっていうのは、なんとなく皆さん知っていると思うんですけど。でもその適性があるから上れるかっていうと、やっぱ上れないし、走れない。そこではやっぱり、気持ちが大事です。メンタルです。
金子:負けない気持ち、頑張れる気持ち?
柏原:それをどこまで抑え込めるかっていう気持ちも大事ですね。
金子:その気持ちが勝ちすぎちゃいけない?
柏原:そうですね。やっぱり空回りしちゃうんで。力が入り過ぎて、それがブレーキにも繋がるし。やっぱりメンタルコントロールがいかに大事かっていうのはありますよね。
金子は、現役時代の柏原に対しあまり話をしない印象を抱いていたという。柏原は「壁を作っていたことに加えて、話すと誤解が生まれることがあり、話さないことで自分を守っていた」と当時の心境を明かした。
金子は、「無邪気に記者やテレビのインタビューに答えていた選手たちが、心を閉ざしていく様をたくさん見てきた」と言い、柏原に対しても「正直、まだその傷が癒えていないんじゃないかな」と思いを述べた。
Podcastでの聴取はこちらから。
番組情報
スポーツライターとして幅広く活躍する金子達仁が一流アスリートたちをゲストに迎え、“心の奥底にある想い”を聴くラジオ番組です。アスリートたちの対談を通し、ここでしか聴く事のできない“Deep”な想いと知られざるエピソードに迫っていきます。
また、オンエアでは聴く事ができなかった部分をディレクターズカット版としてPodcastコンテンツとして配信していきます。