高橋洋一が提案する 岸田政権延命のための「解散時期」と「理由」

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数量政策学者の高橋洋一が12月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。秋葉復興大臣を事実上更迭し、後任に渡辺元復興大臣の起用を決定した人事について解説した。

高橋洋一が提案する 岸田政権延命のための「解散時期」と「理由」

2022年12月27日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202212/27bura.html)

岸田総理、秋葉復興大臣を事実上更迭 ~後任に渡辺元復興大臣を起用

政治資金をめぐる問題などが明らかになっている秋葉復興大臣は12月27日、岸田総理に辞表を提出し受理された。事実上の更迭と見られる。総理は後任に自民党の渡辺博道元復興大臣を起用した。

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秋葉復興大臣)来年の通常国会を控えているいま、来年の当初予算の審議や法案の審議を停滞させてはならない。このことを第一に考え、総理に辞表を提出してまいりました。

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飯田)国会への影響を言っているようですが、秋葉氏自身は「私自身に関することには、何ひとつ違法性はなかった」とも語っているようです。

高橋)では、なぜ辞めるのでしょうか?

飯田)そうなりますね。

後任には伊藤達也氏という報道もあった

高橋)秋葉復興大臣が辞めるときに、誤報で伊藤達也氏の名前が挙がっていましたね。

飯田)そうでしたね。

高橋)伊藤達也さんは知り合いだから「なるのですか?」と聞いたら、「誤報だよ」とすぐに連絡がきました。やはり誤報だったのですね。秋葉さんも伊藤達也さんも渡辺博道さんも、みんな茂木派です。茂木派のなかで回すということで、秋葉さんのあとだと序列が高いのは伊藤達也さんだから、名前が出たのかも知れません。復興大臣は茂木派なのですよ。

飯田)ポストになっている。

高橋)ポストだったのでしょうね。だからいちばん無難に、渡辺さんになったのです。伊藤達也さんは小泉政権のときに金融担当大臣を務めていたでしょう。私の言う埋蔵金にとても興味をお持ちでした。

飯田)第2次安倍政権になってからも、地方の改革や特区系をやっていらした。

高橋)改革系に熱心な方で、若いときからそのタイプなのですが、当選9回と言うと、超ベテランになってしまったのですね。

飯田)復興の話だと福島の浜通りやイノベーション・コースト構想など、いろいろやろうとしているところではありましたから。

解散すれば政権パワーは増すけれど、内閣改造すればダウンする

高橋)茂木派で無難なところに落ち着いたのではないでしょうか。でも、4人辞めても「改造」とは言わないのですかね?

飯田)確かに4人も代わると、プチ改造ぐらいには。

高橋)プチ改造的ですよね。

飯田)3人目が辞めたときには、このあと「もう1回更迭」というわけにはいかないから内閣改造があるのではないかと、12月辺りに噂されました。

高橋)改造は総理の専権事項ですから。ただ、政治の格言で「解散すればするほど政権パワーは増すけれど、内閣改造すればするほどダウンする」というのもあるのですよ。

飯田)なるほど。

高橋)内閣改造は場当たり的にやるから、ボロが出てダメになるパターンが多いのです。

次期通常国会、来年1月の冒頭解散が最も岸田政権の勝率が高い

高橋)だから解散の方がいいのです。萩生田さんが「増税の前には解散」と言ったことを受けて、岸田さんもあまり否定していないでしょう?

飯田)そうですね。増税の時期は決まっていないけれど、その前に総選挙があるのだと。

高橋)あり得るような話でしょう? いちばんいいのは次期通常国会、来年(2023年)1月の冒頭解散というのが最も岸田さんの勝率が高く、内閣の求心力も高められるやり方です。

飯田)なるほど。

高橋)ここでやれば何も準備できていないから。相対的なものなので、野党が強いか強くないかで大体選挙は決まるのです。絶好のチャンスです。

飯田)絶好のチャンス。

高橋)そこで「増税を止めます」と言えば、(支持率が)爆上がりするのではないですか?

飯田)「信を問うのだ」と。「我々は増税と言っていたけれど、国民の皆さんのご意見を聞いて撤回いたします」と。

高橋)「我々は増税と言っていたけれども止めます」と言ったら、野党は手の打ちようがないでしょう……というのが、おすすめのパターンだと思います。

高橋洋一が提案する 岸田政権延命のための「解散時期」と「理由」

2022年11月15日、グローバル・インフラ投資パートナーシップに関するサイドイベント~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202211/15g20.html)

通常国会冒頭で解散した場合、まずは暫定予算で進める

飯田)通常国会冒頭での解散になると、来年の審議は……。

高橋)選挙期間でできませんから、来年度予算は審議せずに「暫定予算でいく」と割り切ればいいのです。

飯田)暫定予算でいくと。

高橋)暫定予算で進めて、あとですぐ本予算を出せばいいだけです。

飯田)4月1日から新しい年度が始まって、4月分ぐらいをつくっておけばいい。

高橋)国会の内容にもよるけれど、2~3週間分をつくっておけば十分ではないでしょうか。何の支障もないと思いますよ。

岸田総理「勇退論」も

高橋)これで広島サミットは安心して開催できます。勇退論なども出なくなります。

飯田)そうですよね。サミットを花道にして勇退と……。

高橋)そう言われているのでしょう? いまのパターンだと一生懸命、予算案をつくって、予算案と引き換えに辞めてしまうとか、統一地方選挙で戦えないから落とされてしまうとか。そうは言っても広島サミットがあるから、広島サミットまでは続けて、そのあと勇退する……そんなストーリーです。それだったら乾坤一擲ですよ。冒頭解散で「増税を聞く力でなくします」と。

飯田)「なくします」と。

高橋)「言ってやったらどうですか?」ということです。野党は多分、有効な対応策を打てないと思います。

飯田)新聞には「日米首脳、来月13日に会談へ」という記事もありますが、1月13日辺りとなると国会召集の直前になります。

高橋)そのあとに「解散」と言ってしまえばいいではないですか。もちろん国会を開いていないとできないので、国会を開いて最初に「解散」と。

飯田)結局、戦いは相対的なものだと。

高橋)相対的です。どんなに劣っても、野党がダメだったら勝てます。

今後、住宅ローンなどの金利が上がり、その影響も

飯田)1月になれば補正が効いてくるから、少し経済はよくなっていきますか?

高橋)1月になると日銀の事実上の利上げの話になって、住宅変動金利に反映されます。既に反映はされているのですが、実際の支払いはあとになるので。

飯田)朝日新聞の1面で、

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『住宅ローン、固定金利上げ 日銀緩和修正で 来月から一部の大手銀』

~『朝日新聞デジタル』2022年12月28日配信記事 より

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飯田)……という見出しが出ています。

高橋)変動金利は2営業日くらいなので、すぐ反映されるのですが、実際に支払うのはまだだと思います。しかし、もう決定はされているでしょう。

飯田)なるほど。

高橋)これは住宅ローンのタイプにもよります。そのころは住宅ローンの金利が上がってきて、みんないろいろ言うと思います。

飯田)月々の支払いが多くなるとか。

高橋)ローンによっては2倍ぐらいになるかも知れません。

飯田)利率が、ですか?

高橋)支払金額が。きついでしょう。

飯田)それは辛いです。

高橋)2倍まではいかないかも知れないけれど、「目に見えて増えたな」という感じになると思います。

飯田)定額であれば元本の部分が減るから、支払い期間が延びるとか、あるいは月々の支払いが高くなるかのどちらかですね。

高橋)景気などの実体感に文句を言う人が多くなると思うので、その前に「ポン」と解散してしまった方がいいと思います。

飯田)タイミングを見てうしろに行けば行くほど、痛みのようなものが広がってくる。中小企業の資金繰りも。

高橋)大変です。コロナのローンも切れてくるでしょう。返済などが出てくるから、苦しくなると思います。中小企業や住宅ローンを借りている人はね。だから少し早めに解散してしまった方が、岸田さんは寿命が長くなると思いますよ。

飯田)あとは決断できるかどうか。

高橋)要するに、どちらのパターンでいった方が、「より寿命が長くなるか」というだけなのです。

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