日本で廃棄予定の「多連装ロケット砲」をウクライナに供与できないものか

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数量政策学者の高橋洋一が1月11日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。G7議長として欧米の5つのメンバー国を歴訪している岸田総理について解説した。

日本で廃棄予定の「多連装ロケット砲」をウクライナに供与できないものか

【米軍との実働訓練(オリエント・シールド21)】陸上自衛隊の多連装ロケットシステム(MLRS)=2021年6月29日午後、北海道別海町の矢臼別演習場 写真提供:産経新聞社

岸田総理がイタリアで首脳会談、外務・防衛の協議枠組み立ち上げ

G7の議長国として5月に広島サミットを開催するのを前に、欧米のメンバー5ヵ国を歴訪している岸田総理大臣は日本時間1月10日夜、フランスに続いて訪れたイタリアでメローニ首相と首脳会談を行った。会談では両国が「特別なパートナー」として共同訓練などを通じ、安全保障協力を強化することを申し合わせた。

飯田)そして日本時間1月11日未明、イタリアでの日程を終え、3つ目の訪問先であるイギリスに向け出発しました。

高橋)イタリア、イギリスというと、航空自衛隊の次期戦闘機の共同開発がありますよね。

飯田)新しい戦闘機の。

高橋)そういう面でも、協力することに意味がありますね。

欧州へ行くのであればなぜウクライナへ行かないのか ~G7で行っていないのは日本くらい

高橋)これだけ欧州を回っているのであれば、岸田さんはウクライナに行くいいチャンスでしょう。岸田さんの日程を見ていると、ダボス会議には出ないのですよね。

飯田)ダボス会議には出ないそうです。

高橋)そこでウクライナに行けばいいではないですか。

飯田)このあとの日程は、1日刻みでイギリスへ行き、カナダへ行って、そしてアメリカに向かう。

高橋)難しいのだとは思いますが、G7で行っていないのは日本くらいではないでしょうか?

飯田)ウクライナに。

高橋)ポーランドから夜行(列車)を使えば行けてしまうのですよね。

飯田)バイデン大統領はポーランドの国境のところまでは行って、激励した形ではありましたが。

日本で廃棄予定のMLRSをウクライナに供与できないものか

高橋)佐藤正久さんがツイートしていたのですが、日本が持っている多連装ロケットシステム(MLRS)が廃棄されるそうです。廃棄するのであれば、ウクライナに供与したらいいのではないでしょうか。「防衛装備移転三原則があるからできない」と言うのだけれど、ウクライナは欲しいと思います。

飯田)「防衛装備移転三原則」は法律ですか?

高橋)法律ではないから、岸田さんが「オッケー」と言えば別にいいのでしょう。

飯田)各内閣の判断の範疇になる。「我が岸田政権では判断を変えました」と言えばいい。

高橋)廃棄するくらいであれば、「ウクライナで廃棄しました」と言えばいいのです……そんな冗談のような言い訳は通じないですが。

飯田)しかし、頭の体操としてはあります。

外交ならば、MLRSをウクライナに供与する方法はいくらでもあるはず

高橋)そういうことも考えればいいと思うのだけれど、どうもその辺りはスッキリしませんね。この手の話は。

飯田)岸田総理はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、大統領周辺からも「ぜひ来て欲しい」と招請を受けているという報道が出ています。

高橋)ウクライナに行き、「(MLRSを)ここで廃棄させてくれ」と言って、「オッケー」ということになれば。

飯田)「どこかに廃棄する場所はありませんか?」と聞いて。「それならうちにいいところがありますよ」と。

高橋)外交ならそういう方法もありでしょうね。こういうときには、いろいろなことができると思うのですけれど。

飯田)現行憲法の枠のなかでも、できることはある。

高橋)常識的に「廃棄するくらいならいい」というのは当然でしょう。G7議長国として動くのであれば、そのくらいやっても誰も何も言いませんよ。

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