追い詰められつつあるロシア 西側諸国への不満が募るウクライナ

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ジャーナリストの須田慎一郎が1月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。激化するウクライナとロシアの戦争が今年どう動いていくのかについて解説した。

追い詰められつつあるロシア 西側諸国への不満が募るウクライナ

ロシアのプーチン大統領(ロシア・ノブゴロド)=2022年9月21日 AFP=時事 写真提供:時事通信

ウクライナの首都キーウにロシア軍が攻撃 ~日本人ジャーナリストも負傷

ロシアによるウクライナへの侵略は年をまたいでも続いている。12月31日には首都キーウなどでロシア軍による大規模な攻撃があり、市内で1人が死亡、日本人ジャーナリスト1人を含む20人が負傷した。年が明けた1月1日も攻撃が止むことはなく、南部ヘルソンでは停電が報告されるなど、ウクライナでは厳しい状況が続いている。

ロシア国内に継戦能力があるのか ~追い詰められつつあるロシア

飯田)2022年2月24日に侵攻が始まり、間もなく1年になります。

須田)首都キーウに対する攻撃は、攻撃型ドローンによるものだと言われていて、それがイラン製であることがエビデンスをともなって証明されてしまいました。

飯田)そうですね。

須田)あるいは北朝鮮による武器弾薬の供与についても、エビデンスをともなって証明されてしまった。そういう支援勢力があることも問題なのだけれど、その一方で、「ロシア国内に継戦能力があるのか」を考えていくと、いよいよロシアは追い詰められつつあるのかなと思います。

ウクライナによる「戦車を使っての攻勢」が始まるかどうかがポイント

飯田)プーチン大統領はウクライナ侵略を正当化するような演説を新年に行ったけれども、そういうメッセージを出さないと、もう国内を引き締められないという感じがありますか?

須田)加えてウクライナサイドの攻勢がかなり激しい。それに対して、むしろ西側諸国がある種のブレーキを踏んでいるところがみうけられます。ロシア国内に到達するような攻撃兵器ではなく、前線に一定程度の戦車が供与されれば、大攻勢が始まってしまうのです。だからなかなか戦車の供与に踏み込めない。チェコ製の戦車がアメリカの支援でチェコから供与されるというような、間接的、隔靴搔痒的な支援しか行われていないのは、そこに理由があるのです。

飯田)なるほど。

須田)それに対してウクライナ側は不満に思っている。首都キーウ等、あるいは各発電所などを含めて、これ以上ロシアからのイラン製ドローンによる攻撃が激化すれば、そこにもう1歩踏み出す。一部でもウクライナ外からの戦車供与が始まっていますから、その辺りが2023年の1つのポイントになってくるのではないでしょうか。

戦車と歩兵で占領されている陣地をどう回復するか

飯田)ゼレンスキー大統領がアメリカの上下両院合同会議で演説しました。そのなかでも「タンク(戦車)が欲しい」というような一節がありました。

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『ウクライナの兵士は、アメリカの戦車や航空機を自分たちで完璧に扱うことができます』

~『NHK国際ニュースナビ』2022年12月23日配信記事 より

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須田)そこで戦車が供与されれば、一気に前線でロシア軍が崩壊します。

飯田)長距離砲でどんなに攻撃しても、最終的に面での制圧は戦車と歩兵で動くしかない。それがなければ戦争は終わりません。

須田)占領されている陣地をどう回復していくのかが、戦争の基本ですから。

広島サミットにゼレンスキー大統領の招待を調整

飯田)そういう局面が今年(2023年)訪れるかも知れないということですか?

須田)その辺りはアメリカの判断次第なのかなと思います。

飯田)広島で開催されるG7サミットに、ゼレンスキー大統領の招待を調整しているという報道があります。ゼレンスキー氏がそういう条件を付けることも考えられますか?

須田)「どう判断した方が大統領選挙に有利になるか」というところも影響すると思います。

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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