地政学・戦略学者の奥山真司が1月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国に対する今後の日米の安全保障関係について解説した。
CSISが台湾有事を想定した24通りのウォーゲームの結果を発表
飯田)経済的にも芳しくなく、焦り始めている中国に対して、日米両国や西側の自由主義陣営がどう対応するのかが今後のポイントになると思います。
奥山)アメリカなどでは「ウォーゲーム」という図上演習が盛んに行われていますが、アメリカの大手シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が1月9日、台湾有事を想定したウォーゲームを24回も行いました。そして、それをまとめた100ページくらいの報告書を発表し、非常に話題になっています。
飯田)CSISは有名ですよね。
奥山)最初に中国が台湾に対して激しく爆撃するというシナリオで、いきなり佳境なのです。そこから現有兵力をもとに、軍事的にどうなるのかというシミュレーションを行っています。
そのなかで強調される日本の役割
奥山)台湾有事が起きた場合、「西側は台湾独立を保てるだろう」という結果がほとんど出ているのです。24回行って、中国の人民解放軍は台湾を征服できないという結果になったのですけれど、そこで強調されているのが日本の役割なのです。
飯田)日本の役割。
奥山)「日本がしっかりしてくれないと、我々は勝てない」と言っています。
日本に大きな期待を持つバイデン大統領 ~報告書のなかでも日本の基地が重要とされる
奥山)今回、岸田さんがワシントンを訪問しましたけれど、とても歓迎されている部分があります。バイデンさんはいま欧州各国の首相と、あまりコミュニケーションが取れていないのです。
飯田)欧州の首相たちと。
奥山)特にドイツのショルツ首相とはあまりうまくいっていません。ショルツさんは「中国としっかり対峙していきます」と言ったその数日後に、いきなり北京を訪れて「中国との貿易関係は大事です」というようなことを言っています。
飯田)3期目に突入した習近平氏に、G7で初めて会いに行ったのは彼でしたよね。
奥山)そうです。ブレブレの欧州がいるなかで、いま中国に対して「増税を覚悟してでもやります」と言った岸田さんが、アメリカにわざわざ来てくれたのです。
飯田)防衛費を増やすと。
奥山)「本当に日本は頑張ってくれ」というところで、大きな期待を背負っているのが日本であるという位置付けです。
飯田)報告書のなかでも日本の役割、特に在日米軍基地を使えるのか使えないのか、どう使えるのか。そして自衛隊の役割が重要であると。
奥山)大前提として、ここが使えないと成功しないのです。いま日本はとても大事な役割を担いつつあるなと思います。
飯田)いままでの盾と矛のような話ではなく、プレイヤーとして一緒にやるのだと。
奥山)一緒にやるのだという状況ですね。
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