日本のIR計画は見直すべき マカオのカジノ業者に実刑判決
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ジャーナリストの有本香が1月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。マカオのカジノ業者に実刑判決が下されたことを受け、日本のIR計画について解説した。
マカオのカジノ業者に実刑判決
飯田)マカオのカジノ業者に実刑判決が下され、日本のIR計画は大丈夫なのかと、有本さんは夕刊フジのコラムのなかで指摘されています。こんなことになっていたのですね。
有本)サンシティグループというマカオのカジノ業者で、カジノだけというよりは、いろいろなリゾート開発などを行っている企業グループです。その創始者でもあるトップがマカオで逮捕されました。逮捕されたのは1年以上前なのですけれども、実刑判決が出て、しかも290近くの罪に問われ、18年の禁錮刑になりました。
飯田)18年の禁錮刑。
和歌山のIRにも手を挙げていたサンシティグループ ~結果として降りた
有本)重罪なのですが、代表的なところで言うと、この企業グループは和歌山のIRにも手を挙げていたのです。
飯田)和歌山のIRに。
有本)この業者については、その時点でいろいろ言われていました。しかし、自治体としては、通常の業者のように受けていたのです。
飯田)疑うことなく。
有本)我々は「大丈夫か?」と懸念していましたが、結果としては、この業者は「降ります」ということになったのです。
飯田)そうだったのですね。
有本)それでことなきを得たのですけれども、「うちは降ります」と言ってから、わずか数ヵ月の間に代表者が逮捕されました。
IRの運営のためにいろいろな業者が参入してくる ~実態の多くは中国系
有本)そういう時系列です。しかも、この業者そのものではありませんが、18年の禁錮刑を受けた業者トップとつながりの深い、マフィアグループと言っていいところが、少し前にアメリカの制裁対象になっているのです。
飯田)アメリカでも。
有本)IRを運営するために、いろいろな業者が入ってきます。それらはほとんど外資であり、実態はだいたい中国系です。
背景を確かめず、通常の入札のように自治体が扱うことは危険 ~IR計画を考えるべきところにきている
有本)それらの背景をまったく斟酌せず、通常の入札のように自治体が扱っていたというのは、かなり危険な話なのです。
飯田)そうですよね。
有本)だからIRに関して、今後も政府は「かつての計画をそのまま進めるのか」ということです。私はもう1回立ち止まって、考えるべき時期にきていると思います。それ以外に日本国内では汚職もありました。
飯田)それも中国企業と絡んでいましたよね。
有本)サンシティグループは和歌山のカジノ……和歌山は県議会が否決しましたから、実際にはIRはやらないのですが、そこにカジノ業者として入ってくるだけでなく、ニセコなどの不動産を大規模に買収し、リゾート開発なども目論んでいるのです。
飯田)カジノだけではなく。
あらゆることを行うカジノを運営する人たち
有本)カジノに話を戻しますと、サンシティグループに代表されるような業者はどういう人たちかと言えば、「ジャンケット」と俗称されるような、カジノを実際に運営する人たちです。
飯田)ジャンケット。
有本)そのフロアを借り切って仕切るわけですけれども、実際にお金を貸したり、または負けを取り立てるなど、何でもやるのです。
飯田)富裕層向け。
有本)そうです。富裕層向けのマーケティングを行ったり、招待したり、あらゆることを行います。「そんなことを日本でやらせるのか?」ということです。
これからも中国のインバウンド頼みでいくのか ~もう1度考え直すべき
有本)もっと大きなことで言うのであれば、結局、IRは中国人のインバウンドを当て込んでいるわけですよね。
飯田)そうですね。
有本)「これからも日本はそれ頼みでいくのですか?」ということです。例えば和歌山の件なども、和歌山の地元実力者である二階元自民党幹事長や和歌山県知事など、みんなとても乗り気でした。議会が否決したのでやらなくはなったけれど、他の「やる」と言っている自治体もほとんど警戒心がないのです。
飯田)「儲かるから」といったような。
有本)そうですね。
飯田)それだけで突っ走っていいのでしょうか。
有本)「もう1回考え直した方がいいのではないか」という警鐘を鳴らしたいと思います。
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