ご存じですか? 絶滅に瀕しているバナナ「島バナナ」
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(2月10日放送)に気象予報士の森田正光が出演。皆既日食について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。2月6日(月)~2月10日(金)のゲストは気象予報士の森田正光。5日目は、皆既日食の見方について---
黒木)森田さんは「皆既日食」というものがお好きで、2010年はイースター島、2017年はアメリカ、2019年はアルゼンチンまで皆既日食を見に行っているそうですね。
森田)いろいろなところに行っています。
黒木)そして、2035年には……。
森田)2035年9月2日には、北関東で皆既日食があります。自然界の出来事にはオーロラなど、たくさん綺麗なものがあります。しかし、皆既日食が最も優れた自然の芸術だと思っています。
黒木)天体ショーのようなものですよね。
森田)1度、皆既日食を見ると病みつきになって何度も行きたくなります。これは「日食病」と言いますが、本当のそのような言葉があるのです。
黒木)行かれたときには、見ることができたのですか?
森田)最初に見たのはイースター島です。その前にハワイに行ったときには、テレビの取材で行ったのですが、見られませんでした。そのとき、お年寄りの方が大声で泣いているのです。「どうしたのか」と聞くと、「私にとってはこれが最後のチャンスだったのに、次はもう見られない」と言って泣いているのです。
黒木)もう見ることができないと。
森田)「それほどすごいものなのか」と思って、次に上海での皆既日食を見に行きました。そうしたら、そのときも見ることができなかったのです。そして、その次にイースター島で初めて見ることができたのです。黒木さんは見られたことはありますか?
黒木)ないですね。
森田)絶対に見てください。
黒木)2035年9月2日、この日が雨だったらどうなるのですか?
森田)それはダメです。空が暗くなるだけです。何のお楽しみもありません。空が暗くなっておしまいです。
黒木)それでも、日ごろとは違うものになるのですね?
森田)違いますが、全然ダメですね。
黒木)2035年と言うと12年後ですが、その日のために森田さんは大好きなお酒をやめたそうですね。
森田)やめてはいないけれども、控えています。
黒木)控えているのですね。
森田)2035年9月2日の皆既日食を肉眼で見ないといけないではないですか。それまでは絶対に生きていようと思って、それで控えています。それだけの理由なのですが。
黒木)12年後の9月2日はお天気でいて欲しいですね。
森田)「皆既日食帯」と言うのですが、皆既日食のなかでなければきちんと見ることができません。東京は部分日食なので、関東の場合は北関東に行かないと見られないのです。
黒木)どの辺ですか?
森田)前橋とか群馬辺りです。
黒木)しかし東京でも感じることはできるのですよね?
森田)部分日食なので、「少し空が薄暗いかな」くらいで終わってしまいます。必ず皆既日食帯のなかで見ていただきたいですね。
黒木)ピンポイントで「ここ」という場所がわかるわけですね?
森田)そうですね。検索すれば出てくるので、「2035年9月2日」「皆既日食帯」で調べていただくのがいいと思います。
黒木)12年後の楽しみができましたね。
森田)もう1つ言いたいのが、いま「島バナナ」というバナナにハマっているのです。
黒木)バナナ?
森田)沖縄の島バナナです。
黒木)あの小さいやつですか?
森田)食べたことはありますか?
黒木)あまり甘くないバナナですよね?
森田)そうです。あれがすごく美味しいと思っているのです。いま年間で30〜40トンぐらいしかできないのです。40トンと言うと4万人の口にしか入りません。沖縄だけで130万人いますから、ほとんどの人が食べたことがないのです。
黒木)そうなのですか。
森田)それが絶滅しそうなので、島バナナを広げる運動をいましています。「島バナナ協会」と検索していただくと、私がつくった協会が出てきます。
黒木)それが少なくなったのも、やはり気象が変わってきたからということですよね?
森田)台風が来るとすぐダメになってしまいます。また、バナナに特有の病気もあります。さらに、勝手にとって行ってしまう人がいるのです。農園でやっているわけではないので、庭先などに生えていて簡単にとれてしまいます。専門的につくろうという人が少ないのです。
黒木)では森田さんが栽培すればいいではないですか。
森田)実は栽培しています。
黒木)しているのですか?
森田)皆さんにぜひ島バナナを知っていただきたいと思って、沖縄で土地を借りて栽培しています。
黒木)森田さんが育てた島バナナは買えるのですか?
森田)1人1本で、「これはあなたのものです」という感じで委託してつくっているのです。
黒木)桜の木のようなものですね。「この1本は誰々の」というような。
森田)そうですね。今年の分はもう終わってしまいました。
黒木)では来年、お願いします。
森田正光(もりた・まさみつ)/ 気象予報士
■1950 年・名古屋市生まれ。72歳。
■財団法人日本気象協会を経て、1992 年に初のフリーのお天気キャスターとなる。
■1992年、民間の気象会社 株式会社ウェザーマップを設立。
■親しみやすいキャラクターと個性的な気象解説で人気を集め、テレビやラジオ出演のほか全国で講演活動も行っている。
■2005年、財団法人「日本生態系協会」理事に就任。
■2010年から環境省が結成した生物多様性に関する広報組織「地球いきもの応援団」のメンバーとして活動。 環境問題や異常気象についての分析にも定評がある。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳