キャスターの辛坊治郎が3月1日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。「おっさんビジネス用語」が今、交流サイト(SNS)を中心に話題となっているというニュースに触れ、「自分の言葉が相手にどれくらい伝わっているかを考えないと、コミュニケーションとして成り立たない時代になった」と指摘した。
産経新聞によると、「一丁目一番地」「ガラガラポン」「ガッチャンコ」「全員野球」などの「おっさんビジネス用語」が今、SNSを中心に話題となっているという。専門家は「送り手と受け手で認識の差があれば、誤解を生む可能性がある」と指摘している。
辛坊)気をつけなければいけないのは、ある一定の世代では当たり前だと思っている日本語が、他の世代には当たり前ではないということです。「この人、何言ってんの?」となると、自分の発した言葉の意味が相手に通じないという事態になってしまいます。そういうことが、「おっさんビジネス用語」の落とし穴の典型だと思います。
2月28日付の産経新聞大阪夕刊1面の記事によると、「おっさんビジネス用語」の代表的なものの1つとして「一丁目一番地」が取り上げられています。これは、若い人にもニュアンス的に分かるのではないでしょうか。「最優先事項」「一番大切なこと」という意味です。一方で、「鉛筆なめなめ」は難しいでしょうか。「ごまかして数字の帳尻を合わせる」という意味です。
また、「ロハ」は普通に使いませんか。カタカナで「ロ」「ハ」を続けて書くと「只」になるので、「タダ」「無料」という意味です。「ガラガラポン」は分かりますか。「いったん白紙に戻す」という意味で、私たち世代はよく使いますよ。「寝技」は分かりますね。「裏工作」という意味です。「よしなに」は普通の日本語だと思っていましたが、「おっさんビジネス用語」なんですね。「適切に」という意味です。「全員野球」はどうでしょうか。「一致団結する」という意味です。
ところで、「おっさんビジネス用語」ではありませんが、この番組の宴会が昨年末に開かれ参加したところ、会場の飲食店に今どき珍しいマッチがあったので、20代後半の女性スタッフに「マッチを擦ったことある?」と聞いてみました。すると、「ありません」と言うんです。最近は喫煙者が減り、マッチ自体を見かけることが少なくなりましたから、「マッチの棒みないな物」という表現も通じなくなってきているのかもしれませんね。
私たちのような商売をしていると、どの世代の方が聞いていらっしゃるのか、どういう言葉を使えば伝わるかということを当然、意識してしゃべらなければなりません。しかしながら、話すことを仕事にしていない人も、会社の会議や朝礼などでしゃべる際には、自分の言葉が目の前にいる人にどのくらい日本語として伝わっているかということを考えないと、コミュニケーションそのものが成り立たない時代になりつつあると思います。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)