いまの日本経済に必要なのは「利上げ」ではない

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ジャーナリストの須田慎一郎が3月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。3.3%上昇した2月の東京都区部の消費者物価指数について解説した。

いまの日本経済に必要なのは「利上げ」ではない

【10月消費者物価】精肉、生鮮食品売り場=2022年11月18日午後、東京都墨田区のスーパーイズミ業平店 写真提供:産経新聞社

東京23区の2月の消費者物価指数が3.3%上昇 ~13ヵ月ぶりに鈍化

飯田)3月3日に総務省から発表された東京23区の2月の消費者物価指数の速報値は、前年(2022年)同月比3.3%上昇しました。1月の4.3%の上昇率からは鈍化しています。

原材料価格やエネルギー価格の高騰によるコストプッシュ型のインフレ ~金融緩和政策は続けていくべき

須田)この物価上昇をインフレとするならば、どのような類のインフレなのかを理解する必要があると思います。原材料価格やエネルギー価格の高騰によって引き起こされているため、言ってみればコストプッシュ型のインフレなのです。

飯田)コストプッシュ型のインフレ。

須田)日本が目指していたのは、需要の拡大によって起きるマイルドなインフレです。2%の物価上昇という形ですから、想定していたものとはまったく違う、悪い物価上昇が起こっているのです。

飯田)悪い物価上昇が。

須田)加えて、我々の賃金にも直結するような製品価格の上昇につながっているかと言うと、必ずしもそうではない。食料品価格やエネルギー価格の高騰が収まってしまうと、またデフレに戻りかねません。そのリスクが極めて高い状況にあるので、「金融緩和政策は続けていくべきだ」というのが基本的な結論です。ですから、よく野党議員が言うように「アベノミクスは失敗だ」というのは、まったく的外れな指摘だと思います。

ここで利上げをすれば日本経済はクラッシュする

飯田)2月末辺りは植田次期日銀総裁候補の所信聴取が行われ、そこで「物価が上がってきているのに金融緩和を続けるのか?」という質問が飛んでいましたが、そもそも前提が間違っている。

須田)国会質問は、少なくとも経済に基本的な理解のある人が質問するべきだと思います。まったく頓珍漢な質問だったのではないでしょうか。

飯田)やはり引き締めたがる人がいるのですか?

須田)アベノミクスや安倍元首相に対する批判の文脈で言っているのだと思います。

飯田)まずポジションがあって。

須田)そうですね。

飯田)でも実際問題、ここで利上げされたら中小企業を中心に大変なことになります。

須田)ここで利上げしたら、日本経済はクラッシュしてしまいます。このような一過性の物価上昇に対しては、エネルギー価格などに補助金を出して回避し、基本的な経済を温めて、製品価格の上昇を促していくことが必要だと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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