ジャーナリストの須田慎一郎が3月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日韓首脳会談が行われ、改善に向かう日韓関係について解説した。
日韓関係改善に向かう岸田政権
飯田)3月16日には韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が日本を訪問し、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も再び安定的に運用しようということになりました。もともとは韓国側が一方的に破棄を通告してきたのですよね?
須田)そうですね。日韓の二国間の関係だけで見ていると、強い違和感を持ちますし、いわゆる徴用工問題に関しても将来的に禍根を残すのではないかと言われていました。求償権があるではないですか。
飯田)賠償を求める権利ですね。
須田)これについても棚上げされたままで、将来、問題が発生した場合に日本企業へ請求されるのではないかという状況でした。それを全部棚上げするのは果たして是なのか非なのかという議論があるけれど、全部乗り越えていった。GSOMIAやレーダー照射問題も、とりあえず韓国側と手を握るという形に収まりました。
世界が二極化するなかでは日韓関係の構築が必要 ~反発する北朝鮮
須田)「本当にそれでいいのか?」という議論はありますが、「世界の二極化」という枠組みのなかで考えると、いま揉めることが両国にとっていいのか悪いのかというところです。
飯田)世界が二極化するなかで。
須田)そして、アメリカのプレッシャーもあります。アメリカも安全保障上、不安定な中国周辺に体制を構築することを考えると、日韓の対立はアメリカの世界戦略に大きな影を落とすことになります。今後、日韓関係を構築するためには、将来に禍根を残すかも知れないけれど、一定程度の譲歩は仕方ないのではないかという指摘もまたあるわけです。
飯田)北朝鮮は19日にも弾道ミサイルを撃ちましたが、日韓の関係改善に反発しているのでしょうか?
須田)当然ですね。特に米韓軍事演習では、明らかに朝鮮半島有事を想定したような航空機の投入等も行われています。それが日本の岩国基地から飛んでいくという状況を考えると、「日米韓は一体化している」というのが北朝鮮の理解です。
北朝鮮への資金源 ~日本の民間企業が絡んでいる可能性が
須田)ここに来て、日本も水面下でいろいろと動きが激しくなってきました。「北朝鮮の資金源を潰せ」という動きが出ているのです。
飯田)北朝鮮の資金源を。
須田)なぜ北朝鮮はあれだけ相次いでミサイル開発ができるのか。経済的には既に破綻している状態なのに、資金はどこから入ってきているのかということです。もちろん中国やロシアも考えられます。ただ、日本からも一部資金が流れている節があるのです。
飯田)日本からも。
須田)それも「香港経由で入ってきている」ということが、公安の調査などで浮き彫りになってきている。
飯田)香港経由で。
須田)おそらく数ヵ月の間に、日本でもお金の問題のハレーションが起こってくると思います。民間軍事会社の問題、それから国際武器マーケットの問題。そしてアンダーグラウンドな資金の流れの問題から、北朝鮮に対する資金供給の一部が日本から出ているのではないかということです。「その資金ルートを根絶しよう」と、水面下で激しい動きがあるのです。
飯田)北朝鮮への資金の流れでは、かつてマカオにあった「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」を潰したことがありました。いまは相当、巧妙化しているという話もありますが、1個1個潰していくことになりますか?
須田)日本の民間企業が絡んでいる節があるのですよ。
飯田)北朝鮮系などではなく。そうなると、これを潰さなければ「日本は制裁逃れに関わっているのではないか」と疑われてしまいますね。
須田)以前からその指摘はあったではないですか。
飯田)国連の制裁の専門家パネル元委員である古川勝久さんが本にも書かれていましたが、「行ってみたらもぬけの殻だった。実は日本企業がいろいろと絡んでいて……」というような話は、前からありましたね。
須田)その辺りがもう1回あぶり出されるのではないかと思います。
飯田)いまだに潰せていないところがあるのですね。
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