「不妊治療」は夫婦で十分話をすることが重要
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東京都医師会理事で東京産婦人科医会・名誉会長の落合和彦氏が4月26日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。不妊治療について語った。
不妊治療
飯田浩司アナウンサー)出産適齢期と呼ばれる20代後半は、キャリア形成において脂が乗っている時期と重なってしまう。そんななかで、新しい流れも出てきているということです。具体的には、どんな動きがあるのでしょうか?
落合)キャリア形成の時期に妊娠を控えることによって、「不妊症」と呼ばれる人たちが増えてきます。女性が年齢を重ねることが大きなファクターになって起きる不妊症が多いのです。
年齢を重ねることで受精率が低くなる体外受精 ~若いうちに採卵して凍らせる方法も
落合)体外受精の受精率を見ると、35歳未満では4割を超すくらいあるのですが、35歳を超えると大きく下がっていきます。40歳では約3割、45歳では2割以下になってしまう。体外受精をしても、それだけ妊娠しにくくなるのです。
飯田)なるほど。
落合)そのような背景のなかで、若いうちに卵を採っておき、凍らせたままにしておく。そして、ある程度仕事が落ち着いたときに、それを使って妊娠しようという考え方があります。考え方としては面白いですけれども。
飯田)ただ、人間は機械ではないし、難しい面もありますよね。
落合)冷凍のままにしておけば、いつ解凍しても使えるという問題でもありません。卵も、ある程度大きく育てておかないと冷凍できないのです。排卵誘発して卵を採ってくるという、簡単に言えば手術になるわけです。そういうリスクもあります。
夫婦で十分話をすることが重要
飯田)不妊治療は女性だけでなく、メンタル面も含めて男性のサポートが必要になってきますよね。
落合)不妊治療については、最近は保険適用が拡大されましたので、そういうものをお受けになるカップルも多いと思います。やはりご夫婦で十分話しておくことが大事です。
飯田)どちらか一方、特に女性が1人で抱え込んでしまって悩む状態は、決して健全ではない。
落合)不妊治療は通院の頻度が高くなり、会社を休まなければならないことにもなるので、ご夫婦はもちろん、職場にも十分に理解してもらえるような社会にならなければいけないと思います。
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