キャスターの辛坊治郎が4月25日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国の上海モーターショーで起きたBMWによるアイスクリーム配布を巡る「差別」騒動について、「中国に進出する外国資本は、こうした騒動を意図的に仕掛けられるリスクが常にあり得ることを意識しておくべきだ」と持論を展開した。
中国の上海モーターショーで起きたBMWによるアイスクリーム配布をめぐる「差別」騒動で、中国国内では一部で不買も呼びかけられた。自社の車を巨大市場にアピールするチャンスだった世界最大級の自動車展は、BMWへの強い批判を招く場に一転した。
辛坊)食べ物の恨みは恐ろしい、中国の政治体制はもっと恐ろしい、ということがよく分かった感じがします。つまり、中国はこうした騒動を意図的に起こそうと思えば、いくらでも起こせる国だということです。
欧州各国などは今、対中貿易を非常に重視しています。ただし、中国の政府当局がインターネット上などで世論をつくって不買運動を仕掛けようと思えば、今の中国なら可能です。これが対中貿易の大きなリスクです。日本で同様のことをしようとしても、さまざまな法律上の制約に触れる恐れがあるうえ、そう簡単に民意が動かない可能性もありますが、中国であればできます。
中国では、不満を政治にぶつければ自分の身が危ないですが、外国資本をやり玉に挙げる分には大したおとがめはありません。上海モーターショーでのトラブルは今回が初めてではありません。過去には、アメリカの自動車メーカー、テスラが来場者から罵声を浴びせられるという出来事がありましたが、罵声を浴びせた当人は大した罪に問われませんでした。
中国当局は外国資本に対し、「うちは開かれたマーケットですから、どんどん売っていただいて結構ですよ」という態度を表向きにはとっています。しかし、当局を本気で怒らせようものなら、意図的に不買運動などを仕掛けるのは容易なことです。
今回の騒動が意図的なものか、自然発生的なものかは分かりません。しかし、中国に進出する外国資本は、こうした騒動を意図的に仕掛けられるリスクが常にあり得ることを意識しておくべきです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)