外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が5月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナ情勢について解説した。
ワグネル創設者プリゴジン氏が戦闘継続を示唆
飯田)弾薬不足を理由に部隊撤退を表明していたロシアの民間軍事会社ワグネルが、弾薬と武器の供給が約束されたため、ウクライナ・バフムトでの戦闘を継続する意向を示しました。ウクライナ情勢に関して、どう見たらいいですか?
宮家)もし野球やサッカーで戦っている最中、試合が拮抗していてどうなるかというときに、監督に対してコーチの1人が「監督が支援してくれないから、このままでは負けてしまうよ」と言ったらどうなりますか? そんなチームが勝てるわけないでしょう。
飯田)確かに。仲間割れしてしまう。
宮家)さすがにロシアの監督は「武器・弾薬を渡しますよ」と言っているのだけれど、そんなものがあれば、もうとっくに渡していますよ。
飯田)なるほど。
宮家)ロシアのいまの状況は、激戦地と言われるバフムトは重要だけれど、今後、ウクライナからの大規模な反攻戦闘が始まる直前と言われています。そのためロシアは反撃される前に、より防衛的なラインを固めようとしているのではないでしょうか。
まもなく天王山が始まる可能性 ~大事な数ヵ月が始まる
宮家)つまり、武器・弾薬も今後の防衛戦に使うようにするので、バフムトまではいかない、ということだと思います。だとすると、そろそろ天王山と言いますか、関ヶ原が始まるかも知れない。
飯田)ここで。
宮家)ただ、これからウクライナが簡単に勝つと思ってはいけません。アメリカや北大西洋条約機構(NATO)諸国もウクライナに頑張って欲しいと思ってはいるけれど、どうなるかはわからない。そういう意味では、非常に大事な数ヵ月間が始まるのでしょう。その直前にロシア側で仲間割れが見えているということだと思います。
ウクライナの反転攻勢はいつ始まるのか
飯田)春にウクライナが反転攻勢すると言われていますよね。
宮家)言われていますね。きょうが5月8日ですから、あと1週間ぐらいで始まるという説があるのだけれど、それも情報戦の一部だと思います。
飯田)公式の情報もありますが。
宮家)何が本当かわからないでしょう。
飯田)それも頭に入れながら情報を取らないといけない。
宮家)そういうことです。
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