立民などが難民認定での「第三者機関新設」を盛り込んだ対案を提出するに至った「経緯」

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数量政策学者の高橋洋一が5月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。衆院本会議で可決された出入国管理法改正案について解説した。

立民などが難民認定での「第三者機関新設」を盛り込んだ対案を提出するに至った「経緯」

東京入国管理局 建物 外観 看板=2019年1月28日、東京都港区の東京入国管理局 写真提供:産経新聞社

入管難民法改正案、衆議院本会議で可決

紛争地から逃れた人を「準難民」として受け入れる制度をつくる「出入国管理法改正案」は、5月9日の衆議院本会議で、与党や日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決された。法案は参議院に送られ、今国会で成立する見込み。

「紛争地から逃れた人を難民に準ずる形で受け入れる」「不法滞在者の扱いの厳格化」

飯田)2つの柱から成ると言われています。1つ目は、紛争地から逃れた人を難民に準ずる形で受け入れる仕組み。もう1つは、不法滞在者の扱いの厳格化。原則2回まで難民申請できるけれども、3回目以降は特別なケースでない限り認められない形になります。

高橋)何回も申請を出している人物が、外で犯罪を行っているという事実もありますよね。

飯田)難民申請をしている間は、強制送還等々はされない。その間は就労も認められます。

高橋)就労しているだけならいいのですが、それを口実に使って滞在する可能性もあります。どのくらいの人がどういうことをやっているかというデータを法務省が出しています。それを見ると、改正理由があるのではないでしょうか。

「明らかに偽装して申請している」という人は新たな難民申請を認めない

飯田)「強制的に国外退去となってしまうと、生命が危ぶまれる」というような支援者の方々の声も上がっていますが。

高橋)「強制退去」という質問をした人がいましたけれど、強制退去ではありません。「退去させることができる」ですね。

飯田)できる、と。

高橋)強制ではありません。強制的というのは「有無を言わさず」です。諸情勢を鑑みて、「明らかに偽装して申請しているのではないか」という人は返せるのでしょうね。

飯田)逆に言うと、いままでその部分は「すべてOK」というような状態だった。

高橋)全部OKだったことがおかしいですよね。「この人にはどういう理由があったのか」という内容を確認してから判断した方がいいです。

すべての難民を受け入れることはない

飯田)難民申請等もそうですが、外国の人たちを日本でどう扱っていくのか。「受け入れればいいのだ」と言う方々もいますけれど、ここは主権の行使の範囲に入るということですか?

高橋)そうでしょう。すべてを受け入れることはありません。どこの国でもそうですよ。

立憲民主党などが難民認定を行うための第三者機関の新設を盛り込んだ対案を共同提出

飯田)この法案に関して、修正協議が一部で行われています。立憲民主党の現場の人たちは、修正協議の付則部分に「第三者機関の審査を将来的に検討していく」という内容を入れるか、入れないかで結局は揉めてしまった。

高橋)入れようと思っていたら、全然関係ない人が出てきて、主義主張だけ言って決裂してしまった。そういう情報がツイッターにも出ていました。「せっかくいいところまでいったのに、原理原則の話で壊されてしまった」と立民の人も言っていました。

飯田)原理原則の話で。

高橋)いま修正案では、それを「本則に入れろ」と言っているのだけれど、付則の方で蹴られてしまった自公の人たちはそれを知っていますからね。「付則でどうですか」と言っても、それも蹴ってしまっているということです。

飯田)付則に入ることになると、「将来的にどうするか」という内容は聞いていける。ただ、本則に載らないと、「いますぐできるものではないだろう」という批判が出てしまった。

高橋)原理原則の教条的な人は、「絶対に本則だ」と言っているのです。それで決裂してしまったのでしょうね。100%の話が通るわけがないのだから、どこかで折り合いをつけて、どのように要求を通すかを考えなければならない。だから付則で入っていても、「それでよし」なのではないですかね。

専門的な職員を育成することなどの修正を盛り込んだ出入国管理法などの改正案は衆院本会議で可決

飯田)結局それが修正協議を蹴ってしまった。協議でまとまりかかった案そのものも、なくなってしまいました。

高橋)一緒に進めていた維新の案の方が通った。人材確保や情報収集の話も通りました。野党の人に関しては、100%の案が通ることは難しいので、「どこまで折り合いをつけるか」ということでしょう。

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