岸田政権が少子化対策で学ぶべき 「ママ議員サミット」での「社会の意識を変える理念」

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ジャーナリストの鈴木哲夫が5月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。少子化対策の在り方について解説した。

岸田政権が少子化対策で学ぶべき 「ママ議員サミット」での「社会の意識を変える理念」

2023年5月20日、セッション5に臨む岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202305/20g7summit_session.html)

子育てに必要なことはお金だけではない

飯田)「次元の異なる少子化対策」について、お金の話がたくさん出てきています。

鈴木)お金の話だけが問題なのではないですよね。要するに、社会や理念を変えなくてはいけないのだと思います。いまは手当をどうするか、いくらにするのか、パーセンテージを増やすなどの話になっていますが、子育てはお金だけではありません。飯田さんもお子さんの送り迎えなどをされていると思いますが、実際に子育てしている方からすると、「そこではないんだ」ということがあると思います。

立憲民主党が「ママ議員サミット」を開催

鈴木)5月11日に、立憲民主党が「ママ議員サミット」を開きました。

飯田)ママ議員サミット。

鈴木)立憲民主党は、統一地方選でも厳しい感じがありましたが、全国で子育てをしている議員の方々がかなり当選しているのです。国会議員の石川香織さんが中心になり、そういう方々を集めてサミットを行いました。

飯田)報道では「G7広島サミット」一色でしたが。

鈴木)「ママ議員」たちが集まって「本当の少子化対策とは何だろうか」と、本当に困っていることについて話し合ったのです。

飯田)子育てをしているママとしても。

鈴木)ここは次の選挙の争点にもなってきますので、厳しい立場の立憲民主党のなかでも、その辺りを売りにできないかと動いているのです。国会議員と地方議員の約30名が集まり、リアルとオンラインで議論しました。

会議の開始は保育所に子どもを預けてから参加できる11時に設定

鈴木)そのなかで「そうだよな」と気付かされたことがありました。会議の開始時間が、午前11時なのです。

飯田)午前11時。

鈴木)私たちからすると、中途半端な時間だと思うではないですか? 永田町で朝の部会と言ったら、朝8時からですよね。みんなで会合を行うなら、本会議が終わって、例えば夕方5時~6時からではないですか。

飯田)そこから考えると、11時というのは珍しい。

鈴木)しかし、女性記者たちが取材に来ていましたが、「11時スタートはものすごく助かる」と言うのですよ。例えば、保育所などに子どもを預けて永田町に来るような場合でも、11時なら間に合います。

飯田)子どもを預けてからでも間に合う。

鈴木)11時から会議があり、それを取材して、原稿を書いたら夕方までに終わりますよね。それから子どもを迎えに行くことができます。理解して「ハッ」としました。私たちなら「朝8時ね」とか、「夕方ね」と設定するではないですか。開始時間だけでも全然違うのだと思いました。

ママ議員が子どものオムツを替えるのに畳の方がいいと議員会館の畳のある部屋で開催 ~少子化対策に必要なのはこのような「社会の意識を変えること」

鈴木)また、議員会館には畳の部屋がありますが、そこで会議を行っていました。「畳」と言われて私たちが想像するのは、「みんなひざ詰めで酒でも飲みながら」と、畳の上の宴会のようなイメージですが、そうではないのです。

飯田)畳ということは。

鈴木)子どもを連れて来た議員の方が、「オムツを変えるのに畳の方がいい」ということなのです。お金の話だけではなく、そういうところが「社会が気付かない部分」だと思います。男性社会は特にそうです。

飯田)なるほど。

鈴木)岸田さんの子育てや少子化対策には、そういうある種の理念や「社会の意識を変えよう」という部分が足りないのではないでしょうか。

飯田)「次元の異なる少子化対策」には。

鈴木)お金をいくらにするなど、そこに特化しているようなところがあると思います。大事なのは、そういうことではなく、「社会の意識を変えること」ではないでしょうか。11時から会議を始めるとは、どういうことなのか。そういった部分に取り組まなければならないのではないかと、痛切に思いました。

子育てや少子化対策に必要な議論はお金のことだけではない

飯田)子育てしている男性議員もたくさんいると思います。ここへ一緒に入ってもいいですし、一緒に子どもを連れて来てもいいですよね。「ママ議連」を前面に出さなくてもいい社会まで持っていかなくてはなりませんね。

鈴木)そうです。

飯田)女性の社会進出ばかりが取り上げられますが、男性も育児の方向へ持っていかないと、「女性ばかりが育児も仕事も全部やるのか」となってしまって、まったく意味がない。

鈴木)子育てで変えるべき社会は、女性の働き方などだけではなく、私たち男性側の社会を変えなくてはならないような気がします。

飯田)「会合があるので来るように」となったとき、「すみません、迎えがあるので行けません」とナチュラルに言える社会にならないといけませんね。

鈴木)子育てや少子化対策において、そういう理念のようなものの議論が必要ではないかと思います。「お金がなくてもいいから、逆にこうしてね」というように考え方が変わってきます。お金ではない少子化対策が議論の中心になるべきだと思います。

飯田)子どもが熱を出して迎えに行けないとき、誰かが行ってくれるだけでも、お金は関係なく助かるのですよね。

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