経済アナリストのジョセフ・クラフトが6月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナをめぐる情勢について解説した。
ロシア国防省がウクライナ軍の大規模攻撃を撃退したと主張
ロシア国防省は6月5日未明、ウクライナ軍が東部ドネツク州の南部戦線でロシア軍の防衛線の突破を狙う「大規模な攻勢」を開始し、ロシア軍がその攻撃を撃退したと発表した。一方でウクライナ側は、ロシアが情報戦を強化していると主張している。
飯田)ウクライナをめぐる情勢がどうなっているのか、わからないですね。
クラフト)米国務省の幹部などとも、この件について話をしましたが、ロシアによる直近の報道は疑わしいのではないかと思います。ロシアは対外的な情報戦を行うというよりも、むしろ国内へ向けたものではないかと。プーチン大統領を含め、ロシア軍がきちんと動いていることを国内にアピールする狙いがあるのではないかとみているようです。
ロシア軍の出方を見極めてから攻撃を開始するウクライナ軍 ~どこからかは決めていない可能性も
クラフト)これはアメリカによる指摘ですが、ウクライナの攻勢と言われると、「ある日突然、全ウクライナ軍が一斉にロシアに対して攻め込む」という印象があるけれど、そうではなく、部分的に攻勢を掛けるのだと。
飯田)一斉にではなく。
クラフト)例えばロシアが大きな塹壕をつくって、そこに入っているとします。それを崩さないまま攻撃してもやられてしまいますので、そのようなハードルを1つ1つ崩していくのです。
飯田)なるほど。
クラフト)ウクライナが「攻勢を掛ける」という情報戦を行うことにより、ロシア軍がどう動くのか、その動きを見極めて攻撃する。必ずしも南部から攻めるとか、東から攻めると決めつけるのではなく、ロシア軍の動きに対して、いちばん弱いところから攻めて崩していくということです。もしかしたら、いまウクライナ軍は自ら東なのか中部なのか南部からなのか、決めていない可能性もあります。
飯田)ロシア軍の動きを見てから決める。
クラフト)相手の出方によって、いろいろと作戦を変えていく。塹壕などの弊害を取り除いてから徐々に進むなど、「一気に攻撃」というイメージではないような気がします。
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