キャスターの辛坊治郎が6月27日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市が国内の支持率低迷により34年大会以降の招致も視野に入れていることを巡り、「34年も強力なライバルがいる。そう簡単ではない」と解説した。
2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市が東京大会を巡る汚職事件を受けて策定を進める大会運営の見直し案の概要が同日、関係者への取材で分かった。外部有識者を含む大会組織委員会がスポンサー選定の妥当性を確認できるようにする。
辛坊)2030年冬季五輪・パラリンピックの開催地は「札幌市で決まりだろう」と、ずいぶん前から言われてきました。ところが、新型コロナウイルス禍により1年遅れで開催された20年東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件により、招致機運は一気に下降してしまいました。そのあたりは、国際オリンピック委員会(IOC)も感じていたのでしょう。30年冬季五輪の開催地を決定する時期をずっと先延ばしにしています。
IOCとしては、さすがにそろそろ開催地を決めなければいけないと考えているのでしょうが、日本国内のコンセンサスを得られないだろうとも感じているはずです。そこで、札幌に代わる開催地候補を探す中で、浮上してきたのがスウェーデンです。IOCとしては、日本国内の支持率低迷によって30年の札幌開催はおそらく無理だと踏んでいますから、「これ幸い」と札幌を次の34年に回そうと考えていると思います。
ところが、札幌での34年開催も、そう簡単ではありません。もともと、30年の開催地候補にはアメリカのソルトレークシティーの名も挙がっていました。ただ、その2年前の28年夏季五輪を同じアメリカのロサンゼルスで開催することが既に決まっていたんです。わずか2年で同じアメリカで五輪を開催するのは、スポンサー集めなどに苦労するといった思惑も影響し、ソルトレークシティーが34年開催にシフトしてきました。
ソルトレークシティーは、札幌の強力なライバルです。現代の五輪開催は、莫大なお金を動かすアメリカのテレビ局による放映権が絡んでいます。アメリカの放送局としては、時差の大きい日本で開催されるより、アメリカ国内で開催してもらったほうがメリットがあります。IOCも同様です。そうなると、札幌での34年開催を目指して頑張っている方も多いですが、そう簡単ではありません。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)