宮古島での「避難シェルター設置」は当然のこと

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が7月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。先島諸島における避難シェルター設置について解説した。

宮古島での「避難シェルター設置」は当然のこと

※画像はイメージです

宮古島にシェルター整備 ~石垣、与那国各島にもシェルター整備の取り組み

飯田)東京を空けることの少ない松野官房長官が、この週末は沖縄、特に先島諸島を訪れました。宮古島に避難シェルターを整備するという話もあり、与那国島や石垣島でもシェルター整備の取り組みを進めるために訪問したということです。

宮家)与那国島は台湾から約107キロです。遠いようでいて、実はジェット機なら一瞬ですから、台湾で何かがあった場合に与那国島への影響は避けられません。沖縄県のなかでも沖縄本島は戦場になりましたし、とても悲惨なことも起きたので、当然、現地にはいろいろな感情があります。

飯田)太平洋戦争で。

宮家)先日、石垣島に行きましたが、驚いたのは沖縄本島と温度差があることです。先島諸島の先に行けば行くほど、中国の脅威を感じているのだと思います。その意味では、与那国島などにシェルターを整備するのは当然のことです。もちろん必ず攻撃してくるわけではありませんけどね。

飯田)中国が。

宮家)しかし、いままで何もしてこなかったのだから、日本は何かしなければいけない。急な場合、全員を避難させるわけにもいきません。このような動きが出てくるのは当然だと思います。

シミュレーションでは有事の際、住民の移動に6日間掛かる ~その間、シェルターが必要

飯田)石垣や与那国、先島の自治体が「何かあったときに住民の方々をどう避難させるか」というシミュレーションを実施したところ、航空機や船舶を使っても6日くらいかかるのだそうです。そうすると、飛行機や船を待つまでの間、シェルターが必要になってくる。

宮家)私が2004年にイラクのバグダッドにいたとき、グリーンゾーンの中によくロケット弾が飛んできましたよ。そういう時は必ず空襲警報が鳴るので、全員が地下に避難します。シェルターと言えるような本格的なものではありませんし、ロケット弾が雨あられと降ってきたわけでもなかったのですが、シェルターは心理的にも絶対に必要です。あるとないとでは全然違いますから。

飯田)そうでしょうね。

宮家)シェルターに行けば何とかなると思えるだけで安心なのです。もちろん、すぐに攻撃があるわけではありません。でも、万が一を考え、国民的レベルで意識を高めておくことが重要なのだと思います。

街の至るところに「避難シェルター」の看板がある台北やソウル

飯田)台北やソウルの街を歩いていると、至るところに「避難シェルター」と大きく看板が出ていますね。

宮家)日本にはシェルターがなさすぎるのです。いままではよかったのかも知れませんが、いままでと同じような状態が続く保証もない。だとすれば、何か対策しておく必要があります。

飯田)ひろたみゆ紀アナウンサーは、韓国で暮らしていたことがあるのですよね?

ひろたみゆ紀アナウンサー)3年間暮らしていました。

飯田)避難訓練などはあるのですか?

ひろた)避難訓練はないのですが、月に1回、お昼くらいになるとみんなが止まるのです。

飯田)なるほど。普段の行動を止めて、頭のなかでシミュレーションを行う。それだけでも違いますよね。

ひろた)違いますね。

飯田)頭の体操をしておくだけでも全然違う。

宮家)訓練するに越したことはないのです。何もなければ、それはそれでいいのだから。

飯田)そう考えておくことで、いざというときに体が動くようになるのですね。

ひろた)バスなどもすべて止まります。

飯田)公共交通機関もすべて止まるのですね。強制的にそこで考えろと。

ひろた)そうですね。

宮家)韓国に初めて行ったときに思ったことですが、臨時の飛行場に使えるよう、高速道路の一部が広くなっているのです。彼らはそのくらい考えている。

飯田)それがリアルな安全保障ということですね。

宮家)そうです。

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