岸田総理 マイナ保険証「不安払拭のための記者会見」 果たして「払拭」できたのかが「不安」

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが8月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。マイナ保険証に関する考えを示した岸田総理の記者会見について解説した。

岸田総理 マイナ保険証「不安払拭のための記者会見」 果たして「払拭」できたのかが「不安」

2023年8月4日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202308/04kaiken.html)

マイナ保険証未取得者全員に「資格確認書」発行 ~デジタル化への逆行

飯田)8月4日に岸田総理の記者会見が行われました。マイナ保険証をめぐる混乱への対応について、どうご覧になりますか?

クラフト)不安払拭のための会見でしたが、「払拭できたのかな」という不安を抱きましたね。

飯田)保険証の代わりとなる「資格確認書」について、「1年を目途にする」と言われていた有効期限が「5年以内」に延長されました。

クラフト)いちばん大きな不安は、健康保険証を廃止することだったと思います。これを決めずに先送りし、新たに資格確認書を出してきた。それも、希望すればマイナンバーの利用登録を解除して、こちらを使えるようにするということです。それではマイナンバーを推進する意味がありません。

飯田)そうですね。

クラフト)いまの健康保険システムは紙やプラスチックのカードが使えるように、顔写真なしで出すのですが、デジタル化への逆行ではないかと思います。本来なら「健康保険証の廃止を延期する」とだけ言って、あとは問題点検を進めればよかったのではないでしょうか。

健康保険証の切り替え廃止を延長するには法律改正が必要

飯田)健康保険証の切り替え廃止を延期しようとすると、法律改正が必要になってしまうことが報じられています。それで揉めるのではないかというような。

クラフト)それが仕事ですし、過半数の議席を持っているのだから、国民優先にすれば法改正を行っても支持されると思いますけれどね。

決めたことはブレずに進めて問題点だけを修正するべき ~マイナンバーカードの制度は重要

飯田)不安部分が強調されているところがありますが、名寄せの失敗は、確かに年金などでもあったけれど、その後も運用されていますよね。

クラフト)岸田総理は「マイナンバー問題の取り組みで反省すべき点があるか?」と聞かれて、「これまでの進め方について瑕疵があったとは考えていない」と答えました。「では何のための会見なのか?」と思います。

飯田)「私たちはいままで間違っていなかった」と、ここで言っているのですよね。

クラフト)こういうものには生みの苦しみがあり、手違いは起こるのです。決めたものは進めて問題点を修正する方がわかりやすいし、多少の不安はあっても、それを説明していけばいいのです。

飯田)決めたことは進めて。

クラフト)今回、新たに資格確認書や保険証の廃止の判断を延期するなど、余計に複雑化してわからなくなり、後手に回ってしまったかなと思います。マイナンバーの本来の制度は重要ですし、続けて欲しいですね。

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