キャスターの辛坊治郎が7月6日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。トラブルが続くマイナンバーカードを不信感から自主返納する人が相次いでいることを巡り、「カードを返納したところで、システムから離脱できるわけではない」と解説した。

※イメージ
来年秋に現在の健康保険証を原則廃止する政府の方針について、日本医師会の長島公之常任理事は5日の定例記者会見で、マイナンバーカードを持たない人に発行される資格確認書の準備が整わなければ、既存の保険証や資格確認書の有効期限の延長も必要との考えを示した。資格確認書は無償で発行されるが、有効期間は最長1年で、毎年更新する必要がある。
辛坊)今、マイナンバーカードを自主返納する人が増えています。返納運動のような様相になっています。
マイナンバー制度は、住民基本台帳ネットワークの延長線上にあります。国民1人1人に付けた番号をいろいろなことに使おうというのがマイナンバー制度です。ただ、カードの取得、所有は任意です。強制すると一部の国民から反発を受けるので、政治的な配慮が働き、任意となったのでしょう。
住基ネット導入の際には、国民1人1人に番号が付けられることに抵抗感のある思想的な背景から、反対した人たちがいます。今回のマイナンバー制度でも、同じような思想的な背景から、カードを返納しているのかもしれませんが、そこには勘違いがないでしょうか。
カードを返納したところで、マイナンバーのシステムから離脱できるわけではありません。単に任意で発行されたカードを失うにすぎません。つまり、カードに紐づいた利便性を失うだけです。カードを返納しても、マイナンバー制度の中に組み込まれている状況は変わりません。
では、カードを返納することに、どれだけの社会的な意味があるのでしょう。それは、デモンストレーションや政治運動です。ですから、カードを返納したらマイナンバー制度から離脱できると思っている人がいるのだとしたら、カードの返納は政治的なパフォーマンスでしかないということを認識しておいたほうがいいと思います。