数量政策学者の高橋洋一が8月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党各派閥の研修会について解説した。
自民党茂木派、9日から研修会開催
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自民党の各派閥が開催を控えていた泊まり込みの研修会が4年振りに復活した。麻生派は7月末に既に開催。茂木派は横浜市で8月9日から2日間の日程で研修会を開き、9月中旬を軸に検討されている内閣改造や党役員人事を見据えて結束を確認する。
飯田)「〇〇派夏季セミナー」などと称して、避暑地や派閥ゆかりの地で泊まり込みで行われます。大体はゴルフですよね。
高橋)親睦を図るならゴルフでしょう。
飯田)長時間、少人数で話ができる。
高橋)4人でね。どうやって組み合わせるのかは知りませんが。
飯田)そうですね。
高橋)ゴルフができない人はどうするのでしょうか?
支持率が落ちる岸田内閣 ~内閣改造が上手くいかなければ解散は難しい
飯田)今回に関しては内閣改造・党役員人事がこの夏、あるいは秋口にあるのではないかと言われています。そこに向けてと。
高橋)支持率が落ちているから、内閣改造が上手くできないと解散できませんね。
飯田)解散風も6月に吹きましたが、ピタリと止んだ。
高橋)変に吹かせて、自分で止めてしまいましたからね。
飯田)会見での岸田総理ご自身の口ぶりが変わったので、みんな驚きましたが。
高橋)その後の支持率の低下を見ると、やはりあのときやっておいた方がよかったのではないでしょうか。この間の仙台市議選を見ても厳しいですよね。
飯田)3議席減らしています。
茂木氏が動くのかどうかが焦点に ~岸田下ろしになり、次期総裁候補を各派閥が選ぶことも
高橋)そうですね。だからいろいろと結束を固めてどうのこうのという、自民党の岸田下ろしの側面も強いのではないでしょうか。
飯田)そうなってきますか?
高橋)首を変えないと総選挙ができないとなれば、岸田下ろしになってしまうでしょう。いまは「コロナ禍が終わったから研修」ということもあるかも知れませんが、ここで派閥を固めて総裁候補を出すなど、そういう話になるのではないでしょうか。
飯田)特に茂木派ですね。茂木さんは幹事長を務めており、実質、党を預かるトップのポジションです。茂木さんが動くのか動かないのかも焦点になっています。
麻生派、安倍派はどう動くのか
高橋)茂木派もそうですが、麻生派も安倍派もそうです。安倍派は8月20日~21日に開催されます。「総裁選に出せるか、出せないか」をここで決めなければならない。出せないことになったら大変でしょう。
飯田)いまは会長が不在で、これをどうするか。塩谷さんが座長のような形になって、5~6人で回していくのはどうかということを下村さんに持ちかけたら……。
高橋)反対されたのでしょう。
飯田)そういう報道があります。
高橋)森山さんや二階さんはどうするのか……。いつにも増して派閥研修会に注目が集まるのではないでしょうか。候補者に誰を立てるか、どこと合流するかという話になるかも知れない。
飯田)折しも森山さんと二階さん、菅さんが食事をしたと報じられていました。
高橋)大きな塊ですからね。その辺りはどうするのでしょうか。
ある2つの派閥が組んでしまえば、「岸田下ろし」も
飯田)いろいろと多数派工作的なうごめきが起こりますか?
高橋)あるでしょうね。岸田さんはもともと圧倒的な派閥ではないですから。
飯田)いまは党内第4派閥であると。
高橋)どこかと組んでしまえば、瞬く間に岸田下ろしになりますよ。例えば、麻生さんが寝返ったら崩れてしまうのではないでしょうか。
飯田)いまは麻生派、茂木派、岸田派の3派が主流だと言われています。
高橋)そう言っていますけれど、麻生さんはわからないですよね。
飯田)わからないですか。
危険水域近くまで落ちている岸田政権の支持率
高橋)広い意味で宏池会だから、ある程度は裏切らないと思うけれど。
飯田)少し前までは大宏池会構想のようなことが……。
高橋)ありましたからね。
飯田)岸田さん、麻生さん、谷垣さんのグループ。
高橋)でも議員は選挙に勝たなければなりません。支持率は危険水域に近付いていますよね。
外交で支持率を上げるには「拉致問題」しかない ~解散は「G7広島サミット」のタイミングしかなかった
飯田)支持率に関して、いろいろな世論調査が出ています。一部には「下げ止まったのではないか」というものもありますが、いかがですか?
高橋)上がる要素もないですしね。
飯田)しばらく総理は地方行脚などを続けます。車座集会をやるようなことを言っていますが、9月になると今度は外交の季節になる。この辺りで得点を上げたいところですか?
高橋)拉致問題しか上がらないでしょう。
飯田)北朝鮮に絡んでということですか?
高橋)引き上げるのは大変だと思いますよ。結果的には広島サミットで上がり、そこで解散するのがいちばんよかったのではないでしょうか。
飯田)ゼレンスキー大統領も来たタイミングで。
高橋)それを自分の発言で逃がしてしまったわけです。あれで「ガクッ」ときた人は多いと思いますよ。
飯田)既に選挙の準備を始めて。
高橋)ここだと思って事務所を押さえた人がたくさんいました。
飯田)そのお金をどうするのだと。
岩盤保守層が日本維新の会に流れている可能性も ~仙台市議選の結果にも表れている
高橋)自民党内の派閥でやっているのだけれど、自民党全体の支持率も落ちてしまっているので、やはり岩盤保守層が離れている感じがします。それがこの間の仙台市議選に表れたのでしょうね。
飯田)その辺りが維新に流れた可能性もある。
高橋)流れているのでしょうね。仙台で3議席を落とし、維新が5議席獲ってしまったのだから。
飯田)中選挙区は、大きな風が吹かなければなかなか動かないと言われますからね。
高橋)もし維新の方がたくさん出すという形になると、大変なことになってしまいます。
飯田)ある意味で体制が固まらないうちに、「勝つか勝たないか」というより、「負けを少なくするために早めに解散する」というようなことも。
6月に解散していれば、日本維新の会も準備は整っていなかった
高橋)それが6月だったのですよ。6月はまだ維新が準備できていないから。維新の馬場代表と話したときに、「やらなくて助かった」と言っていました。
飯田)そうですか。
高橋)野党の党首に「助かった」と言われてはまずいでしょう。
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