「河野デジタル相の認識は甘いのでは」須田慎一郎が指摘 ~民主主義国家と権威主義国家の分離が進むなかのG20デジタル相会議の意義は

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ジャーナリストの須田慎一郎が8月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。G20デジタル相会議について解説した。

「河野デジタル相の認識は甘いのでは」須田慎一郎が指摘 ~民主主義国家と権威主義国家の分離が進むなかのG20デジタル相会議の意義は

2023年8月19日、インド南部ベンガルールで開かれた20カ国・地域(G20)デジタル相会合 写真提供:時事通信

G20デジタル相会議

20ヵ国・地域(G20)デジタル相会議が8月19日、インドで開催された。各国はデジタル経済におけるセキュリティの強化や「デジタル公共インフラ」の相互運用実現などで合意したが、ロシアのウクライナ侵略をめぐる意見の溝が埋まらず、共同声明の採択は見送られた。

飯田)日本からは河野太郎デジタル担当大臣が出席しました。中露からも出席があったということです。

須田)非常に微妙なG20だったと思います。

民主主義国家と権威主義国家の間で分離が進むデジタル世界 ~将来的には互換性を持たないというなかで、デジタル相会議を開いて何を決めるのか

須田)この分野に関して言うと、間違いなくデカップリングが進んでいます。民主主義国家と権威主義国家の間で分離が進んでいき、将来的には完全に互換性を持たないような状況になるでしょう。

飯田)互換性を持たない。

須田)それを前提としているなかで、いまデジタル経済相会議を開いて「一体、何を決めるのだろうか」と不思議なのです。

通信、IT分野でデカップリングが1つの選択肢となる ~そんななかで、将来的に世界ワンワールドで進めていくことができるのか

飯田)河野さんなどは成果として、「DFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)の重要性が再確認された」と強調していました。

須田)もちろん、IT社会を迎えるなかで、情報の自由な流通が実現することを前提に進んできたわけです。ところが、ハッキングやデータ漏洩が明らかになってくると、セキュリティを強化しなくてはならない。そうすると、デカップリングも1つの大きな選択肢になってくるのです。

飯田)デカップリングが。

須田)そんななかで、「将来的に世界ワンワールドで進めていくことができるのか」と考えると、河野さんの認識は少し甘いのではないかと思います。

管理者になりすますハッカーには虹彩認証や生体認証、ワンタイムパスワードも意味がない ~これをどうするかが大きなポイント

飯田)AIについても業界的には注目されるところですが、今回はあまり俎上に上がりませんでした。

須田)やはりデジタルセキュリティ分野が大きな議論のポイントになっていると思います。セキュリティは「ID・パスワード方式」が取られているのです。例えば銀行の預金口座で考えるとわかりやすいのですが、口座番号がIDで、パスワードが暗証番号です。

飯田)ID・パスワード方式。

須田)パスワードによって自らのデータにアクセス可能になるのが、ID・パスワード方式です。ただ、ハッカーはシステム管理者になりすますのです。システム管理者はすべてのマスターキーや、マスターパスワードを持っています。

飯田)システム管理者になりすましてやってくる。

須田)ですから、いろいろなデータにアクセスして覗き見ることもできるし、書き換えることもできる。これがハッキングです。

飯田)ハッカーによる。

須田)これは約50年前に開発された仕組みです。いまは虹彩認証や生体認証、あるいはワンタイムパスワードという1回限りのパスワードしか使えなくなり、どんどんグレードアップしています。とは言っても、システム管理者になりすまされてしまうと意味がありません。「これをどうするのか」が大きな注目ポイントだと思います。

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