レモンド米商務長官の訪中は「米中首脳会談」につながるのか
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数量政策学者の高橋洋一とジャーナリストの須田慎一郎が8月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。アメリカのレモンド商務長官の訪中について解説した。
レモンド米商務長官が訪中
飯田)レモンド米商務長官が8月27日~30日の日程で、北京と上海を訪問しています。半導体の輸出規制などをめぐって議論したようですが、これまでもいろいろな閣僚が話をしています。成果はあるのですか?
須田)大前提として理解しておく必要があるのは、アメリカサイドは中国を見くびっているということです。
飯田)見くびっている。
須田)「経済規模で自分たちを超えることはできない」という考えを前提に議論が始まっていると考えてもいいと思います。いろいろな会談を行っていますが、結果として、ボールは中国にあるのです。
「安全である」という認証を中国の半導体に与えないわけではない ~情報を閲覧できるようなチップを入れるような行為をやらないわけにはいかない中国企業
須田)半導体規制において何が問題なのかと言うと、中国の国家情報法、つまり半導体チップのバックドアを含めて、情報漏洩やハッキングなどのリスクがあるということです。リスクがあるものに対しては認証を与えない。「これは安全です」という認証を持った半導体しか、これからは使えなくなるということが大前提としてあるわけです。
飯田)「安全である」という認証を持った半導体以外は使えない。
須田)ただし、中国のメーカーに対して認証を与えないわけではありません。「あなた方には国家情報法があり、中国政府は情報漏洩のリスクがある。それをやめるのであれば半導体も提供しますし、この陣営に入ってもらっても結構ですよ。あなた方の判断次第です」と。でも、中国のメーカーはやらないわけにはいきません。
飯田)中国企業としては、中国政府に言われたら実施しなければならない。
須田)犯罪行為になりますから。
飯田)そういうことですね。
高橋)中国企業のなかには共産党委員会が入るでしょう?
飯田)必ず委員会をつくらなくてはいけない。
米レモンド商務長官の訪中はG20での米中首脳会談につながるのか
飯田)ブリンケンさんやイエレンさんなど、いろいろと米中の閣僚級協議が行われています。日本国内の報道では、9月にインドで開かれる20ヵ国・地域(G20)において、バイデンさんと習近平さんの会談につなげるためだというような話もありますが、つながっていくと思いますか?
須田)つながるでしょう。安全保障面では純粋に、対立激化を回避しようという大前提がありますから。
飯田)安全保障面では。
須田)ただし、個別の案件で「半導体輸出を再開してくれ」と言われても、「ルールを守れるならどうぞ」という話になります。
飯田)半導体チップのバックドアなどをなくせば。
須田)中国の方に力があるのであれば、アメリカも譲歩しなくてはなりませんが、恒大集団の話ではないけれども、いま中国経済に対して譲歩する必要性はまったくないのです。
飯田)見ていればいいという感じ。
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