数量政策学者の高橋洋一が9月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月にアメリカで開催されるAPEC首脳会議に習近平国家主席が出席する可能性について解説した。
中国・王毅外相、習近平国家主席の「APEC首脳会議」出席に含み
中国・王毅外相は9月26日、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議について「成功に向けて建設的な役割を発揮したい」と述べ、習近平国家主席の出席に含みを持たせた。習主席はインドで9月に開催されたG20サミットを欠席している。
飯田)王毅政治局員兼外相による北京の記者会見での発言だそうです。習主席は多国間外交を非常に重視しており、中国が「重要な多国間フォーラムに欠席することは決してない」と語っています。「習主席は」と言いながら、うしろでは「中国が欠席することは決してない」と主語が変わっていますが。
APECでは孤立無援状態になる中国 ~経済関連でいい話をして、「国内経済を回復に向かわせたい」
高橋)習近平さんはたぶん、行きたくないと言っているのでしょうね。
飯田)そういうことなのでしょうか?
高橋)国内が非常に忙しく、「行っていられない」のかも知れません。
飯田)G20サミットには李強首相が派遣されました。
高橋)それでは格落ちですからね。でも、APECはアメリカで開催されるから、「行けるかどうか」ということでしょうね。APECに行くとまた孤立無援になりますから。
飯田)APECでは。
高橋)オーストラリアやニュージーランドがいるから、なかなかね。
飯田)ここで「米中首脳会談があるのか」とも言われていますが。
高橋)ある程度、経済の話をしないと「国内経済がもたない」という部分はあるかも知れません。「経済関連でいい話をして、国内経済を回復に向かわせたい」という気持ちがあるから、行こうかなと考える。でも、「来る面子を見ると嫌なやつばかりだ」と思って、行きにくいのではないでしょうか。
習近平氏が国を空けることがリスクになる場合も
飯田)9月16日~17日に王毅さんが地中海マルタで、アメリカのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と12時間ぐらい話し合ったと報道されています。米中首脳会談について可能性を探ったのではないかと言われていますが。
高橋)アメリカの方は「来い」と言うに決まっています。いろいろな条件を付けて話しているのではないでしょうか。
飯田)アメリカとしては、ある意味ホームで実施できる。
高橋)アメリカのホームなので行きたくないし、うかつに言質を取られると王毅さんも自分の首が危なくなるから、そう簡単には決められないのです。いろいろな条件をたくさん引き出そうと思うと、話が自ずと長くなるのでしょう。普通の国であれば、よほど何かがない限り「スッ」と行くのですが、こういう国のトップは大変ですね。
飯田)とりあえず顔を出すだけでも大事だと。でも、国を空けることがリスクになる可能性もあります。
高橋)共産圏の場合は、外に出ているうちに政変があったら帰れなくなってしまうので、そういう話もあるのかも知れません。何が起こっているのかよくわかりませんが、続けて防衛大臣や外務大臣を辞めさせているのは不自然ですよね。
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