さらに遅れる日本の「人権問題」 岸田政権の担当補佐官が不在に
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東京大学先端科学技術研究センター特任講師の井形彬が10月3日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。2年足らずで不在になった岸田政権における「国際人権問題担当」の補佐官について解説した。
岸田政権、人権担当の補佐官が不在に
新行)岸田政権で新設された「国際人権問題担当」の首相補佐官が不在になりました。どうご覧になりますか?
井形)人権担当補佐官が急にいなくなってしまったのは、海外からも衝撃として捉えられているようです。
新行)2年足らずで不在に。
井形)「もはや日本には人権問題がなくなったのか。必要がなくなったから人権問題のポストを消したのですね」というような皮肉めいたコメントも出ている状態です。
新行)そういうメッセージとして発信されてしまったということですよね。
井形)2年前は「初めて国際人権問題担当の首相補佐官をつくった」ということで、「素晴らしい」と期待を持たれていました。しかし、何の説明もなく2年経ったら不在になり、一気に好感度を下げてしまった感じがあります。
「人権デューデリジェンス」のガイドラインをつくるも法律にはならず
新行)この2年間、国際人権問題担当の補佐官は、どんな仕事をしていたのでしょうか?
井形)元防衛大臣の中谷元さんが務めており、かなり頑張ってはいたのです。例えば「人権デューデリジェンス」と言い、企業が製品をつくる際のサプライチェーンのなかで、「強制労働や児童労働などの人権侵害が行われていないか」をチェックするシステムをつくろうと頑張っていました。最終的に法律にはなりませんでしたが、ガイドラインはできました。
新行)ガイドラインはできた。
井形)それを民間で行うのであれば、政府側も公共調達する際、ものを買うときには「サプライチェーン上に問題がないかきちんと調べましょう」というガイドラインもできました。少しずつ進んではいたのですが、両方とも法律にはなっていません。他にも、他国で人権侵害が行われた際、それに対して制裁する「(日本版)マグニツキー法」があるのですが、これも通っていません。
人権侵害に基づく輸入規制の法整備も日本では進んでいない
井形)アメリカやヨーロッパでは現在、「人権侵害によってつくられたものは輸入禁止にしよう」という法整備が進んでいますが、日本ではその議論すら進んでいないという現状があります。
新行)「これから」というときにポストがなくなってしまい、この先、心配な部分でもありますね。
井形)そうですね。「道半ば」でした。
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