中国大使に金杉氏 「硬軟使い分けられる人脈」を持っているかどうかが重要

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戦略科学者の中川コージが10月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。垂氏から金杉氏へ交代する中国大使の人事について解説した。

会見する 外務省の金杉憲治・アジア大洋州局長=2017年4月25日 東京・霞が関の外務省 写真提供:産経新聞社

会見する 外務省の金杉憲治・アジア大洋州局長=2017年4月25日 東京・霞が関の外務省 写真提供:産経新聞社

駐中国大使が垂秀夫氏から金杉憲治氏へ交代

飯田)昨日(10月24日)、大使18人の人事が閣議で承認され、中国大使が垂秀夫さんから金杉憲治さんに交代します。「非チャイナスクール」など、いろいろと言われていますが、どうご覧になりますか?

中国語研修組で高い評価があった垂氏

中川)垂さんの日本での評価は高く、「戦略的互恵関係」の考案者でもあります。垂さんがいる間にどれぐらいのことできるのかが期待されていましたが、コロナ禍に入ってしまったので、そこが残念でしたね。

飯田)ちょうどその期間でした。

中川)安倍政権時代には、中国側も安倍元首相を高く評価していました。それは「寄り添って」ということではなく、「敵ながらあっぱれ」という評価が中国からあった。その安倍元首相の置き土産的な存在が垂大使だったわけですが、金杉さんになり、どう変わるかは未知数だと思います。

飯田)なるほど。

中川)金杉さんが悪いわけではなく、「未知数だ」とは中国側も思っているでしょうし、日本側も「どうなるのだろうか」というところは若干あると思います。

コロナが明けて「これから」というときの交代は残念

飯田)安倍政権の外交において、金杉さんもアジア大洋州局長を2016~19年に務めていました。当時、「対話のドアは常に開いている」と言いながら塩対応を続けていた時期で、習近平さんと笑顔で握手したのもあのタイミングぐらいでしたよね?

中川)ですので、金杉さんも空気感などは当然、受け継いでいると思います。中国は人と人とのつながりで動くところがありますが、その部分では、垂さんの人脈は大きかったのでしょう。コロナが明けて「これから」というときに代わりますが、個人的には、垂さんであれば今後もっとタフに動くことができたと思うので、残念な気持ちはあります。

飯田)コロナが明けて。

中川)金杉さんがソフトになるのかタフになるのかはわかりません。それは別にしても、これからというときに代わるのは、やる気満々だったでしょうし残念です。

硬軟を使い分けて付き合い、なおかつ、中国に「敵ながらあっぱれ」と思わせる

飯田)垂さんもチャイナスクール、「中国語研修組」と言われた1人ですが、決して「相手国にべったり」という人たちばかりではないですよね。垂さんがまさにそうですが。

中川)「敵ながらあっぱれ」という感覚を中国に見せることが大事です。ただ単に攻撃ばかりではなく、「硬軟合わせて」という姿勢が中国は怖いのです。叩きまくるだけではなく、硬軟を合わせる。頭を下げるような元首相も日本にはいますが、それはそれで中国に舐められ、「あいつは使えない」と思われてしまうわけです。一見、受け入れているように見えますが、実は足元を見ています。

飯田)そういうこともあるのですね。

中川)そういう意味では硬軟使い分けて、なおかつ「敵だけれど、あいつはすごい」と思わせることが大事だと思います。「チャイナスクールがいい、悪い」と言うよりも、「人脈をどのくらい持っているのか」が大切です。攻撃にも使えるし、ソフトに握手したいときにも使える。金杉さんの場合、「その辺りがどうなのか」というところだと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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