大阪・関西万博 直前にならないと「見えない」その努力の結果
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が11月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。建設費の上振れが正式決定した大阪・関西万博について解説した。
大阪・関西万博の建設費、上振れが正式決定
2025年大阪・関西万博の会場建設費をめぐり、日本国際博覧会協会が最大2350億円に増額する見通しを示したことに関し、西村経済産業大臣は11月2日、受け入れる意向を表明した。政府とともに3分の1ずつ費用負担する大阪府・市と経済界は1日に容認姿勢を示しており、建設費の上振れが正式に決まった。
飯田)さまざまな方からご意見をいただいています。文京区・58歳会社員の“マミ太郎”さんからは、「万博やめたら? 開催を望んでいる人は誰ですか?」と。綾瀬市・52歳ドライバーの“ミヤちゃん”さんからは、「本当に必要ですか? こんな世界情勢、円安、物価高のなかで無理に開催しなくてもいいと思います」。また、大田区・59歳の“イソ爺”さんからは、「上振れ確定。大丈夫なのでしょうか?」といただきました。
宮家)皆さん厳しいですね。予算がまず決まっていますが、最初はみんな安めに言うのです。戦闘機の開発でも何でもそうなのですが、最初は安めです。しかし、その後さまざまな事情があって徐々に上がっていく。今回はインフレもありましたから。
飯田)世界的にもそうなってしまっています。
宮家)仕方がないとは言いながら、国として負担するのは約800億円なので、全体としてはそれほど大きな額ではないと思います。市と経済界は大変でしょうね。しかし、残念ですが、いままでこの種の話で当初予算が増えたことはあっても、減ったことはありません。やめるかどうかはまた別の話ですが、厳しい言葉があるのは当然だと思います。
万博では夢を見せて欲しい ~最先端医療には興味が集まるのでは
飯田)せっかくやるのであれば、夢を見せて欲しいと思いますけれどね。
宮家)月の石が来るなど、最初の万博のときは夢がありました。しかし、もう何回も行われているから、なかなか夢という部分は厳しいかも知れない。大阪の活力という観点から考えれば、やるのは当然だと多くの人は思っているのではないでしょうか。開催すること自体はいいのですが、確かに目玉を出すことは難しいかも知れません。
飯田)ミラノでは食をテーマにするなど、いろいろな工夫が求められていますよね。
宮家)出尽くしてしまったかも知れませんね。
飯田)今回は医療などの部分が言われています。高齢化に関しては、日本は最先端ですからね。
宮家)そのようなものであれば、私も興味があります。
飯田)テクノロジーがこれだけ進歩して、いろいろなサポートもあります。
宮家)ロボットなどもありますし、その意味では楽しみです。
飯田)AIなどを使った、対話型の会場ロボットなどがあってもいいですよね。
宮家)問題はリピーターが出るかどうかで、それはまた別の仕掛けをしなければいけないと思います。
直前にならなければ結果は見えない
飯田)各国が「どのようなパビリオンを出してくるのか」も注目されます。
宮家)日本も財政は厳しいですが、各国もそれは同じですから、大変ですよね。その意味では、思ったように進まなかったのは仕方がない気もします。当事者の方々は大変ですよ。
飯田)これだけ大規模な国際イベントを開催するとなると、調整も多岐に渡りますよね。
宮家)きちんとした組織もあって、担当大臣もいて、一生懸命行われている。その努力はわかるのですが、結果を出すには至っていません。こればかりは直前にならないと見えないでしょう。ただ、工期が短くなってしまったことは心配です。
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