キャスターの辛坊治郎が11月6日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。イスラエル軍と大規模な戦闘が続くイスラム原理主義組織ハマスが実効支配下にあるパレスチナ自治区ガザに対し、イスラエル側が核兵器を使用する可能性が指摘されていることについて、「可能性は限りなく低い」と解説した。
時事通信によると、イスラエル軍の報道官が5日夜、ガザ地区への激しい攻撃で、「ガザを北部と南部に事実上二分した」と宣言した。また、イスラエルの文化遺産担当相は同日に放送されたラジオ番組で、ガザ地区への核兵器の使用が「選択肢の1つ」と発言したが、ネタニヤフ首相は即座に否定している。
辛坊)イスラエルの核兵器については、デリケートな話です。イスラエルが核兵器を保有しているというのは全世界の共通認識で、誰も疑っていません。しかし、パキスタンやインドなどのように誰もが目に見える形で最終段階の核分裂を伴う核実験は行っていないため、イスラエルが核兵器を保有しているという証拠はありません。
今回、イスラエルの文化遺産担当相が、ガザ地区への核兵器の使用を「選択肢の1つ」と発言しました。ただ、この大臣は日本ふうに言うところの「極右」の人なので、そういう人なら言うだろうなと思います。しかし、どちらかというと右派と目されているネタニヤフ首相ですら、即座に否定しているわけですから、ガザ地区に対して核兵器を使うことはありえ得ないだろうと、私は見ています。
ただし、イスラエルが核兵器を保有していることを前提にすれば、過去の中東戦争のときのように、周りの国が本気でイスラエルという国を潰しにきたときには、その国を相手に核兵器を使用する可能性はゼロとはいえないでしょう。しかし、この局面でイスラエルとフェンス1つで隣接しているような場所に対し、イスラエルが核兵器を使用する可能性は限りなく低いと感じています。
日本国内でも、イスラエルがガザ地区に核兵器を使用するのではないかという見方をする人が最近増えています。しかし、それはいくらなんでも認識が違うのではないかと感じます。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)