ロシア政治に詳しい筑波大名誉教授、中村逸郎氏が11月13日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。「中東情勢に世界の注目が集まる陰で、ロシアはウクライナに地雷をバラまいている」と解説した。
2024年3月に大統領選を控えるロシアだが、ロイター通信が先週、プーチン大統領が出馬の意向を固め、近く正式に表明する見通しであると報じた。10月7日に71歳となったばかりのプーチン氏は現在4期目。ロシアの大統領の任期は6年のため、5期目となると少なくとも2030年まで権力の座を維持することになる。背景には、どんな思惑が見え隠れするのか―。
中村)今、世界の注目はロシア、ウクライナ情勢ではなく、中東情勢に集まっています。その陰でロシアが何をしているかというと、ウクライナに地雷をバラまいているんです。この地雷を除去するには757年もかかるといわれています。信じられない数字ですよね。
犠牲になるのは一般の民間人です。ロシアが仕掛けた地雷により、既に260人以上が亡くなり、900人以上が負傷しています。戦争が終われば、すぐに復興するというイメージを抱きがちですが、地雷がどこにあるか分からないため、そんな簡単な話ではありません。
国外に出て行ったウクライナ人は既に1000万人に上っています。また、戦争で亡くなった若者たちもいます。つまり、ウクライナの出生率は今後20年、30年、大きく下がってしまうということです。
結局、狂気に陥ったプーチン大統領がしていることは、ウクライナをロシアに併合することではなく、ウクライナという国の廃墟化であり、世界地図からの抹消です。
番組情報
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)