日本経済新聞中国総局長の桃井裕理氏が11月16日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。15日(日本時間16日)、アメリカ・サンフランシスコ近郊で行われた米中首脳会談について、「中国国内では、習近平国家主席がアメリカでいかに歓迎されているかが、ずっと報道されていた。アメリカ国内の中国人が総動員されたのではないか」と報告した。
日本時間の16日午前4時過ぎから、アメリカのサンフランシスコで、米中首脳会談が約1年ぶりに開催された。昼食をはさみ、約4時間行われた。軍同士の対話を再開することなどで合意。また、習近平国家主席は台湾統一に関し意欲を示し、アメリカの台湾への関与を牽制した。
桃井)中国国内では、習近平国家主席がアメリカでいかに歓迎されているかが、ずっと報道されていました。おそらくアメリカ国内の中国人が総動員されたと思われるのですが、習国家主席を乗せた車が通る沿道では大きな中国国旗を振る人や、歓迎の横断幕などであふれ返っている映像が何度も流されていました。
中国国内では少し前まで「アメリカはけしからん」といった報道の論調が多かったです。ところが、首脳会談の直前ごろからは「中米関係の改善がいかに大事であるか」「中国のためだけではなく、世界のために中米関係の改善が大事だ」「その中米関係の改善を習先生が担うんだ」といった論調が醸成されてきました。こうした中、ちょっと面白いことがありました。
今週、中国国営中央テレビで大型ドラマが放送される予定でした。朝鮮戦争、つまり中国側からいうと抗米戦争の中国人なら誰でも知っている有名な激戦を素材にしたドラマです。一流の役者が出演し、13日から放送されることが予告されていていたのですが、何の案内もなく放送されませんでした。放送が延期されたのだと思います。習国家主席がアメリカを訪問するタイミングで抗米戦争のドラマを放送するのは、さすがに政治的に正しくないだろうということで引っ込めたのでしょう。そんな出来事がありました。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)