北朝鮮「ミサイル発射」は中国が「コントロールできていないから」か

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戦略科学者の中川コージが11月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が北西部沿岸地域の東倉里地区から発射したミサイルについて解説した。

「非常設衛星発射準備委員会」を現地指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(右)=2023年5月16日(朝鮮中央通信=共同)

「非常設衛星発射準備委員会」を現地指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(右)=2023年5月16日(朝鮮中央通信=共同)

北朝鮮の「偵察衛星」が軌道に進入 ~韓国軍が分析

飯田)北朝鮮のミサイル発射について、韓国の情報機関も「打ち上げは成功し、衛星が軌道に進入した」という見方を示しています。通告した時期よりも早く発射されましたが、どうご覧になりますか?

中川)前回、この番組に出させていただいたときに、「北京がどれだけ北朝鮮をコントロールできているのか、今後注視しなくてはいけない」と話しました。なぜかと言うと、北朝鮮はロシアに弾薬を提供する見返りに、ロシアから技術を手に入れようとしているからです。

中国政府は北朝鮮をコントロールできているのか

中川)北朝鮮は「マッドマンセオリー」と言うか、何をやらかすかわからない。中国政府がコントロールできていないと、北朝鮮は技術を持ってしまうわけです。そうなると、ハイテク化したマッドマンになるので危ない、という話をしたのですが、まさにそれが現実化してきた。

飯田)本当ですよね。

中川)いま「どれだけ中国がコントロールできているのか」が、より気になるところです。「技術を持ったマッドマン」が怖い存在であることは間違いありません。

現在、中国と北朝鮮には強いパイプがあるのか ~コロナ禍もあり、専門家の意見が分かれる

飯田)中国と北朝鮮の関係ですが、前政権では李克強氏がかなり(北朝鮮に)行っていました。しかし現在、強いパイプはあるのでしょうか?

中川)北朝鮮の張成沢という方が粛清されましたが、彼は中国とのパイプ役で、その後は共青団派も含め、李克強氏が動きを取っていたわけです。そのなかで大使の交代などもあり、これまで長く続いてきたラインが、人為的な部分や自然死も含め、だいぶ消えたりしています。その辺りを専門家に聞くと「大丈夫だろう」と言う人もいるし、「結構まずい」という話もあり、インテリジェンスにもバラつきがあります。特にコロナ禍では、完全に分断されてしまったので。

飯田)北朝鮮は完全に国境を閉めましたからね。

中川)その間は完全に閉めていたので、見解が分かれているところが気になります。

飯田)日本から見ると「北朝鮮と中国は一体」というイメージがありますが、それとはまた違うのですね。

中川)中国がすべてをコントロールし、子分のように言い聞かせているような印象で、「北朝鮮が横暴なことをするのは北京がきちんと見ていないからだ」などと言われるけれど、北京自体もなかなか厳しいのだと思います。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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