11月21日のニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に、元NHKアナウンサーの武田真一氏が、休暇中の辛坊に代わりパーソナリティとして出演。フィギュアスケート男子で冬季五輪金メダリストの羽生結弦さんが17日、SNS(会員制交流サイト)で離婚を発表するとともに、誹謗中傷や過熱報道などがあったと明かしたことを巡り、「羽生さん本人が伏せたいプライベートを暴く行為。公益性があったのか」と一連の取材、報道に疑問を投げかけた。
プロフィギュアスケーターの羽生結弦さんがSNS上で離婚を発表し、パートナーや親族らに対して誹謗中傷や無許可の取材、報道があったと報告した件を巡り、批判の声が上がっている。結婚相手の実名報道に関しても、「必要があったのか」などメディアの責任を問う声が相次いでいる。
武田)羽生結弦さんは離婚の理由として、許可のない取材、報道を挙げています。表現の自由というものは、この社会が維持されるうえではとても大切なものだと思います。しかし、無制限に表現の自由が与えられるかというと、そうではありません。
私が情報に関わる仕事をするうえで、物事を伝える際にいつも考えているのは、それが公益に資するかどうかということです。つまり、伝えることによって、この社会がちょっとでも良くなる、多くの人にとって生きやすいものになるかを判断基準にしています。今回の報道に関しても、それが問われるべきだと思います。
例えば、大きな権力を持った人物がプライベートで不法な行為をしているケースを考えてみてください。この場合、不法行為を暴くのは、その人物にプライバシーがあっても、私たちがどういう人格の人物に大きな権力を与えているのかという情報を共有することになりますから、これは必要なことであり、公益性があると思っています。
しかし、羽生さん本人が伏せておきたいと考えているプライバシーを暴く行為が果たして社会がより良きものになることにつながるのかと考えると、私は今回のケースでは取材、報道に公益性があったとは思えないです。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)