2024年の経済見通し 「長期金利、住宅ローンが大きく上がることは想定しにくい」エコノミストが予想

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第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が12月6日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。2024年の経済見通しについて解説し、「長期金利、住宅ローンが大きく上がることは想定しにくい」と予想した。

2024年の経済見通し 「長期金利、住宅ローンが大きく上がることは想定しにくい」エコノミストが予想

※イメージ(日本銀行)

辛坊)日本の短期金利は日銀、政府で決め、長期金利は市場によって決まるという印象を持っています。短期金利はマイナス金利が長く続いていますが、政策として短期金利を上げるタイミングと、その理由について、どのように見ていますか。

永濱)私は、2024年4月の金融政策決定会合でマイナス金利を解除するのではないかと見ています。日銀が最も注目しているのは来年の春闘ですが、表向きの数字が出てくる前に、日銀はさまざまなヒアリングを行うでしょう。そうすると、日銀としては欧米が利下げを始める状況になってからマイナス金利を解除したくはないと考えていますから、欧米が利下げを始める前にマイナス金利を解除すると思われます。したがって、春闘が1つの引き金になるのではないでしょうか。

辛坊)マイナス金利の解除によって、どうなるのでしょうか。ゼロ%ではないですよね。

永濱)ゼロ%ではないですね。プラス0.1%まではあるとは思います。マイナス金利は2016年1月に打ち出され、当時はプラス0.1%からマイナス0.1%に引き下げられました。ところが、住宅ローンの変動金利に影響する短期プライムレートは下がりませんでした。ですから私は、マイナス金利を解除しても短期プライムレートは上がらない可能性が高いと見ています。マイナス金利を解除すると円高の圧力がかかる一方で、短期金利はそれほど上がらないとのではないかと思います。影響は限定的でしょう。

辛坊)そうすると、2024年4月にマイナス金利の政策は転換するけれども、住宅ローンなどは変わらないという見立てですか。

永濱)大きくは変わらないと思います。逆に変わってしまうと、影響が大きくなってしまいますから、おそらく日銀はそうした形での出口はもう少し先に見据えているような気がします。

辛坊)長期金利は、どの程度の水準になると見ていますか。

永濱)下がるとしても、ゼロ%台半ばぐらいまでと見ています。

辛坊)変動金利は短期金利、固定金利は長期金利にそれぞれ連動するといわれます。住宅ローンは金融機関にもよりますが今年、何度も上がりました。永濱さんの見立てによる長期金利の動向ですと、住宅ローンが今後、大きく上がることはあまりないということでしょうか。

永濱)目先は、そうですね。少なくても欧米が利下げするような局面では、日本の長期金利も上がりにくいですからね。欧米による次の利上げの局面までは、住宅ローンがどんどん上がっていくことはなかなか想定しにくいのではないでしょうか。

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