テレビ東京・解説委員の山川龍雄が1月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。アメリカ大統領選挙に向けた共和党の予備選について解説した。
共和党予備選、ニューハンプシャー州でトランプ氏が勝利
秋のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選び第2戦、東部ニューハンプシャー州の予備選挙で、トランプ前大統領が勝利した。
ヘイリー氏が3連敗すればデサンティス氏に続いて離脱する可能性も
山川)今後、予備選が行われるサウスカロライナ州はヘイリーさんの地元なのですが、(そこまでに)3連敗すると、フロリダ州知事のデサンティスさんに続いて離脱する可能性も出てくると思います。
飯田)そうなると3月5日のスーパーチューズデーを待たずに決まってしまう。
山川)異例の結果です。
トランプ氏が再選すれば80代の大統領に
山川)年齢のことはあまり言いたくありませんが、バイデン氏とトランプ氏で本選に至った場合、バイデン氏は80歳を超えていますし、トランプ氏も77歳です。これでもし(トランプ前大統領が)再選すれば、トランプ氏も80代の大統領になる。それもどうなのだろうと思います。
飯田)あのアメリカで、こういうことが起きるのですね。
山川)例えば、アメリカ大統領選は約1年間、ずっと行われるではないですか。経験や実績がないと1年間、いろいろな世論に耐えられないので、若い人がなかなか出てこないのではないかという説もあります。でも、アメリカは世代交代の国ですから、不思議な現象です。
飯田)若い企業経営者が次々と出ているなかで、政治だけが。
接戦が予想される「バイデンVSトランプ」
山川)バイデン氏対トランプ氏で言うと、ベッティング(賭け)の状況を見ても、いろいろな調査の平均値を見ても、少しトランプ氏が有利になってはいますが、わからないですね。無党派層が多いですから。特に裁判のところで、テレビ中継などが最後の最後にあったとき、どちらに転ぶかわからない。「五分五分」と思った方がいいでしょう。
飯田)そうすると、本選はまた接戦になる可能性がある。
「もしトランプ氏がアメリカ大統領に復帰したら」とそれぞれがシミュレーション
山川)最近よく「もしトラ」という言葉が使われています。みんな、いまから「もしトランプ氏が大統領になったらどうなるか」というシミュレーションに入っている。麻生さんも先日アメリカに行って、結局トランプ氏には会えなかったようですが、娘婿のクシュナー氏には会えたのではないかと言われています。いまからいろいろな準備をしておかないと、急には対応できないですよね。
飯田)トランプ氏が再選した場合。
山川)国際情勢で言えば、イスラエルのネタニヤフ首相もロシアのプーチン大統領も待っている状態です。
飯田)トランプ政権を待っている。
山川)(トランプ氏は)「24時間以内にウクライナ問題を解決する」と言っていますから。ゼレンスキー大統領からすると自分の頭越しに、アメリカ大統領とプーチン大統領によって和平案を結ばれるのがいちばん嫌だと思いますが、それをやるのではないかと言われています。ネタニヤフ氏はハマスのテロを許してしまったわけで、この戦闘が終われば退陣させられるのはほぼ見えています。それを上手くまとめてくれるのは、どちらかと言うとバイデン氏よりトランプ氏ではないかと、待望しているわけです。だからネタニヤフ氏は、とにかく「占領する期間を長くする」と言っている。
飯田)トランプ氏が動き出すまで、向こう1年ぐらいはそれをやっておかないとならない。
山川)みんな待っています。
トランプ氏が復帰すると微妙な立場になる習近平氏
山川)習近平氏だけが微妙なのではないでしょうか。貿易と関税の問題が出てきますから、ずいぶんやり合うことになるでしょう。一方、バイデン氏のように国を連携させて対中包囲網を形成することなどは、トランプ氏はやらないと思います。
飯田)一国主義ですものね。
山川)中国の外交は基本的に分断戦略なので、ヨーロッパとアメリカの仲が悪くなるのはいいのです。そういう意味では、両方考えているのではないでしょうか。
飯田)マイク・ポンペオ前国務長官が日本を訪れて講演しましたが、「基本的に外交戦略は変わらないのではないか」という話があったようです。
山川)ポンペオ氏は今回もまた長官になりたいという意欲があるのです。日本としては、継続性から言うとポンペオ氏がなってくれた方がやりやすいですね。今回、「誰が任用されるのか」をみんな心配しています。
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