北朝鮮「新型ロケット砲」開発は「平和統一取り下げ」の一環とみるべき

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自由民主党・衆議院議員の石原宏高総理大臣補佐官と日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が2月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が行った新型ロケット砲の発射実験について解説した。

口径600ミリの超大型放射砲の「贈呈式」で演説する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同) 撮影: 2022年12月31日、平壌

口径600ミリの超大型放射砲の「贈呈式」で演説する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同) 撮影: 2022年12月31日、平壌

北朝鮮が新型ロケット砲を開発

北朝鮮の朝鮮中央通信は2月12日、兵器開発を担う国防科学院が2月11日に新型の多連装ロケット砲の発射実験を行ったと報じた。公開された写真では移動式発射台から240ミリ口径だとするロケット砲が発射され、島に命中した写真が写っている。また、発表ではロケット砲と合わせて弾道制御システムも新たに開発したとされ、国防科学院は命中精度が確認されたとしている。

金日成国家主席の時代からの「平和統一」を取り下げた金正恩氏

飯田)このような技術もロシアから来ているのでしょうか?

秋田)短距離ミサイルは韓国を攻撃するものなので、北朝鮮はもともとたくさん持っていると思います。ロシアとの関係で能力が強まったというよりも、今年(2024年)に入り、北朝鮮は歴史的な転換となる方針を発表しました。金日成国家主席の時代から、韓国を敵視しても最終的には「統一」という目標を掲げていたところ、ハッタリなのか本当なのかわかりませんが平和統一を取り下げ、戦争を想起させるような声明が増えています。今回の新型ロケット実験もその一環とみるべきかも知れません。

理にかなっているトマホークの大量導入

飯田)朝鮮半島の話は、当然ながら日本にも直接影響します。備え方に関して、どうお考えでしょうか?

石原)私が昨年(2023年)の9月に首相補佐官になってから、北朝鮮は衛星の打ち上げを成功させ、これまで持っていなかった中距離の固体燃料型ミサイル打ち上げにも成功し、さらに不規則な軌道を描きながら飛行する極超音速弾頭も撃っています。東アジアの状況はかなり厳しさを増していると思います。

飯田)策源地を攻撃する能力、いわゆる「反撃能力」と言われますが、この辺りの対応も急ぐ必要がありますね。

石原)私の同期である木原稔防衛大臣がエマニュエル駐日米大使とサインしたのですが、当初は2026年の導入予定だったトマホーク400発を、1年前倒して来年(2025年)から導入します。イージス艦に搭載するのですが、私も3月に横須賀基地へ行き、その辺りのことを聞こうと思っています。

飯田)兵器の重要性については、どうお考えですか?

秋田)いままではミサイル防衛で守れるとしてきましたが、飛んできたピストルの弾をピストルの弾で撃ち落とすような兵器ですので、大量にミサイルが飛んできた場合は撃ちきれない危険があります。今後は撃たせない、「撃ったらこちらからも反撃する」という形にしないと厳しいでしょう。日本がトマホークを大量に導入するのは、理にかなっていると思います。

国産の地対艦誘導弾「SSM」

飯田)「撃たせない」ということは抑止力になりますが、同盟国としてアメリカとも連携しながら進めていくのでしょうか?

石原)アメリカや韓国と連携しながら、北朝鮮の問題に対応するのだと思います。アメリカからトマホークミサイルを購入する一方、三菱重工がつくる地対艦誘導弾「SSM」を改造し、長距離を飛ばせるようにします。さらに、三菱電機が飛行機に搭載する空対地ミサイルの開発など、日本でつくる反撃能力も保有する。それがいまの政府の考え方です。

飯田)アメリカに頼るばかりではなく、国産のものも欲しいですよね。

石原)時代が変わっており、韓国は2022年に約2.5兆円も防衛装備品を輸出しています。日本には力があるので、迎撃用ミサイルなども考えていいと思います。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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