「自動チェックイン機」が生まれた意外な理由 ホテル評論家・瀧澤信秋

By -  公開:  更新:

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月13日放送)にホテル評論家の瀧澤信秋が出演。コロナ禍を経た「日本のホテルのいま」について語った。

「自動チェックイン機」が生まれた意外な理由 ホテル評論家・瀧澤信秋

※画像はイメージです

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月12日(月)~2月16日(金)のゲストはホテル評論家の瀧澤信秋。2日目は、ホテルを評論することについて---

黒木)瀧澤さんは日本を代表するホテル評論家として活躍されていますが、ホテルの食品偽装問題を機に、メディアからの取材が相次いだそうですね。

瀧澤)ホテル評論家という名前ではなくとも、ホテルを評価する仕事をされている方は、日本におそらく4~5人ほどいらっしゃるのではないでしょうか。その方たちは業界側の方で、あくまでもホテルのいい情報を発信していたのです。もちろんそれはいいことなのですが、何か問題があったとき、それを忌憚なく批判したり批評したりする人が、ホテルジャーナルの世界にはいなかったらしいのです。

黒木)それまでは。

瀧澤)私は幸か不幸か、ホテル業界とまったく縁のない人生を送っていたなかでホテル評論家になったため、何のしがらみもなく動けました。それがいまだに続いています。

黒木)いいホテルも、そうではないホテルもあるということですか?

瀧澤)私は1つのホテルでも、いいところは絶賛しますが、問題点は徹底して酷評しますので、ホテル側としては扱いにくい人間だと思います。

黒木)星がいくつという評価だけではわかりませんものね。

瀧澤)わからないですよね。

黒木)以前、「布団がシーツにきちんと入っているところは間違いない」とおっしゃっていましたが、最近はトコジラミのニュースがあります。その辺りはいかがですか?

瀧澤)ホテルは、寝具の除菌にはあまり注力していないというイメージがあります。シーツは毎日替えます。布団もたまにはきれいにするのですが、マットレス全体の除菌や交換はあまり行っていないホテルが多いのではないかというイメージを持っています。最近はマットレス全体を除菌して、ダニなどを殺すような業者さんも出てきています。

黒木)そうなのですね。

瀧澤信秋

瀧澤信秋

瀧澤)コロナ禍になったとき、「この時期だからこそ徹底して寝具の除菌をしてください」と言いました。そこをもう1度考えていただけたらと思います。

黒木)ホテルに泊まったら、まずマットレスを見る。でも、なかなかそんなことはできないので、信じるしかないですよね。

瀧澤)私はダニチェッカーを持ち歩いて、ダニがいるかいないかを調べています。

黒木)初めて聞きました。そんな道具があるのですね。ホテル評論家として、いいところは褒め、酷評もきちんと行う。いまはカスタマーハラスメントの問題もありますが。

瀧澤)お客様からの苦情をよくクレームと言いますが、正式には「コンプレイン」と呼ばれます。クレームとは少し違う。正当な権利行使はクレームです。単なる苦情はコンプレインですが、ホテルにとっては財産なのです。それがきっかけになってサービスが改善されることが多い。

黒木)コンプレインがきっかけで。

瀧澤)ビジネスホテルに行くと自動チェックイン機があり、フロントを通さずに機械でチェックインの手続きを行えるのですが、あれも「チェックインやチェックアウトの手続きに時間が掛かりすぎる」というお客様からの声によって生まれたものです。本来なら苦情は財産なのに、度を越えたお客様自身の感情を晴らす場として、そういうことが起きている現実があります。

瀧澤信秋

瀧澤信秋

瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)/ホテル評論家

■法律事務所、会計事務所等の勤務を経て、経営コンサルタントの会社を設立。
■2000年ごろから各地への出張の折に利用したホテルの宿泊レポートをブログで執筆。
■2007年ごろからメディアへの取材対応をはじめ、「ホテル評論家」として活動。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底し、数多くのメディアに出演。
■評論対象はラグジュアリーホテル、デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡り、ホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題まで幅広い。

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

Page top