キャスターの辛坊治郎が2月27日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。パレスチナ自治政府のシュタイエ首相が26日、辞意を表明したことを巡り、「(パレスチナ自治区)ガザには自治政府の力が及んでいない。首相の辞任と引き換えに、(イスラム原理主義組織)ハマスなき後、権限がガザ地区にも及ぶようにして、イスラエルとの2国家共存を狙っている」と持論を展開した。
パレスチナ自治政府のシュタイエ首相が26日、辞意を表明した。ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエルの戦闘を受け、パレスチナ人の間で政治的な取り決めについて幅広い合意を形成するためとしている。
辛坊)イスラエルはガザ地区を北側から攻め、ほとんどのパレスチナ住民は最南端の場所に避難しています。つまり、ガザ地区の大半はイスラエルが制圧している状況です。このままイスラエルがガザ地区の全域を制圧し、国家を拡大する意図があるのではないかと思えてしまいます。
こうした見方に対し、イスラエルはそうした意図はないと否定しています。ただ、ガザ地区には約150万人のパレスチナ人が残っており、イスラエルの本音は残るパレスチナ人をさらに南にあるエジプトのシナイ半島に押し出そうとしているのではないかと勘ぐってしまいます。
イスラエルがガザ地区の全域を制圧して支配下に置くことについては、アメリカなどは国際社会に認められないと考えています。つまり、ガザ地区は今まで通りパレスチナ人が治めるべきだという認識です。ただ、ハマスではないパレスチナ勢力に治めさせせたいとも考えています。
ガザ地区はパレスチナ自治政府の傘下にありますが、自治政府の力が現在は及んでいない地域です。そのことを考慮すると、イスラエルが占領するヨルダン川西岸を統治している自治政府の権限が及ぶような未来にしたいというのが、アメリカなどの思惑でしょう。
今回、その自治政府の首相が辞意を表明しました。背景には、首相の辞任と引き換えに、自治政府の権限がガザ地区にも及ぶようにして、ハマスなき後のパレスチナ国家を確立させ、イスラエルと2国家共存を狙っていると思われます。ただ、こうした水面下の意思通りに物事が動いていくかどうかは、まだ分からないです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)