ジャーナリストの須田慎一郎が3月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。下請け業者に減額を強要した日産に対する公取委の勧告について解説した。
下請けに減額強要したとして、公取委が日産を勧告へ
飯田)3月4日の東京株式市場では、日経平均がついに史上初の4万円を突破しました。
須田)デフレからの完全脱却が見えてきたことに対する期待感だと思います。岸田政権の経済政策で根幹となるスローガンは「安い国日本からの脱却」です。経済を好循環につなげ、物価上昇をあえて許容し、なおかつ賃金上昇も合わせて実現する。そしてデフレから完全に脱却するという方針です。今回、日産が下請け業者に減額を強要し、公取委が勧告しましたが、それも文脈に沿った動きと考えてもらっていいと思います。
岸田内閣の経済施策の方針「安い国日本からの脱却」を受けた動き
飯田)日産が部品を製造する下請け業者への納入代金を一方的に引き下げたことに対し、公取委が勧告する方針を固めました。
須田)公正取引委員会は財務省と近い関係にあり、「吠えない番犬」と言われています。中小企業に対しては強いのですが、大企業に対しては弱いところがありました。しかし、「安い国からの脱却」という国の方針があるからこそ、このような動きができたのではないでしょうか。
中小企業も賃上げしなければ労働力を確保できない
飯田)賃金が上がれば、暮らし向きとしては楽になりますが。
須田)これまで大手企業、特に完成品をつくる企業にいろいろな動きがあるなかで、原材料価格やエネルギー価格の上昇分に関しては、価格転嫁をしぶしぶ許容してきた部分がある。ただ、賃金上昇分については「下請け企業の問題だろう」ということで、消極的だったのです。ただ中小企業、あるいは下請け企業も現実問題として賃上げしないと労働力を確保できませんから、こういう動きを見せたことでマーケット的にも好感されたのだと思います。
飯田)少し前までは大手メーカーなどが賃上げしない理由として、「うちが上げると下請けも上げなくてはならず、苦しくなるから上げられない」と言うこともありました。そう考えると、ようやく時代が変わってきたのでしょうか?
須田)人手不足もあります。
飯田)それが株価、あるいは我々の暮らしにどう反映していくのか。
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