双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦が3月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。3月14日に行われた参院政倫審について解説した。
参院政治倫理審査会に世耕氏・西田氏・橋本氏が出席
飯田)参議院の政治倫理審査会が3月14日に行われました。世耕弘成氏、西田昌司氏、橋本聖子氏の3人が出席しましたが、どうご覧になりますか?
吉崎)今回の政倫審を見てしみじみ思うのは、「この人たちは自分自身を守ることしか考えていない」ということです。安倍派を守ろうとか、自民党の評判を何とか維持したいと思う人が誰もいない。「情けないな、この人たちは」と感じます。
いちばん怒っているのは与党支持者
吉崎)3月11日ごろにNHKの世論調査が出ましたが、内閣支持率が25%とかなり低い。自民党支持率も下がっています。NHKの調査では通常、30%台半ばぐらいあるのですが、去年(2023年)11月の裏金疑惑とともに下がり、いまは(自民党の政党支持率が)約28%です。「内閣支持率と与党第1党の支持率を足し、50を切ると危ない」という有名な青木率がありますが、いまは25+28で53%です。
飯田)ギリギリですね。
パーティー券など支持者からのお金をごまかしていた
吉崎)与党の支持者がいちばん怒っているのです。政倫審で「説明責任は果たされたか?」と聞くと、与党支持者と野党支持者の怒り具合はほとんど一緒です。考えてみたら、与党支持者は自分たちがお金をあげていたわけではないですか。それを「ただの飲み食いに使っていたのか」となり、野党支持者よりも与党支持者の方が腹に据えかねているのです。特に安倍派のパーティーに行ってお金を払っていた人たちからすれば、「何だお前らは」と思いますよね。
飯田)「俺が払った金を」と。
吉崎)見方を変えると、公金をごまかしたというより、自分の支持者から貰ったお金をごまかしていた。ですので、なかなか怒りは収まらないですよね。
反対する勇気がなく、暗黙の了解で決めてしまったか
飯田)安倍さんが反対していたから一旦キックバックを廃止したのに、亡くなったあと再開された。「私は反対したけれど、決めてしまった人がいたから仕方なかった」と。でも「誰が決めたのか?」と聞くと、それはわからない。
吉崎)暗黙の了解というやつで、特に言い出す勇気がなく、唯々諾々と決まってしまうのは日本社会によくあるパターンです。それをやっていたのでしょう。それなら「私は変える勇気がありませんでした」と言ってくれた方が……。
飯田)そうですね。まだ潔い。
吉崎)これを続けている限り、永遠に疑惑は晴れず、このままズルズル続くのだから。
飯田)令和のご時世にはそぐわない言い方かも知れませんが、「やり続けていると男を下げるだけだぞ」という感じですよね。
吉崎)そうですね。
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