双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦が3月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北陸新幹線延伸の影響について解説した。
北陸新幹線、金沢~敦賀間が延伸開業へ
北陸新幹線は3月16日、金沢~敦賀間が延伸開業する。東京駅と延伸区間にある福井駅が初めて直通列車で結ばれ、移動時間は乗り継ぎが必要だったいまのルートより36分短い、最速2時間51分になる。なお、石川・福井両県に新幹線の6駅が新設される。
飯田)吉崎さんは北陸・富山のご出身ですよね。
吉崎)富山の人間の感覚で言うと、2015年に北陸新幹線で長野~金沢間が開業し、金沢まで20分で行けるようになりました。20分という時間はやはり短いではないですか。
これまで一体感のなかった北陸が1つにまとまる
吉崎)それが福井とつながるということです。北陸は割と一体感のない地域で、東北などと比べたら全然、塊になっていません。
飯田)富山は富山、石川は石川で。
吉崎)仲がよろしくない。石川と福井も微妙なのですよ。松平家というのは、前田家を見張るためにあそこにいるわけですから。
飯田)雄藩の前田家を見張るために。
吉崎)富山と石川は、もともとは富山の方が分家なので、金沢(石川県)の方が見下ろす感じがあるのです。富山は富山で「経済力では負けていない。北陸電力も北陸銀行もこちらが本店だ」と、微妙な対立関係にあるのですが、新幹線ができると「北陸が1つにまとまるのではないか」という楽しみがありますね。
新潟も含めて1つの経済圏になるか
飯田)私も妻の実家が新潟の上越妙高、高田の辺りなのです。あそこはあそこで直江津があり、直江兼続がいた歴史があります。県こそ違えど、あの辺りが一体の経済圏として捉えられるようになりますか?
吉崎)私の吉崎家の先祖は、福井から来ているのです。うちは浄土真宗のお寺なので、福井と石川の県境に吉崎御坊という8代目の蓮如上人が、4年ぐらい布教の足場にした場所があります。先祖はそこから来ているのですが、その話を福井で言ってもまったくウケないのです。「吉崎」はよくある名字ではないけれど、割と北陸では多いのですよ。しかし、やはり一体感がないのだなと思います。
飯田)江戸時代には京都など、近畿の文化圏とつながりがありましたが、変わってくるのでしょうか?
吉崎)福井県のなかでも嶺南と嶺北は、若狭と越前のような違いがあります。北陸電力は越前までが管内ですが、若狭は関西電力だったり。歴史で言うと若狭の方が古いとか、いろいろあるのです。
飯田)鯖街道など。
敦賀から先はどうなるのか ~米原につなげれば「新幹線環状線」ができる
飯田)一応は敦賀まで伸びましたが、ここから先はどうなるのでしょうか。
吉崎)この先が大変らしいです。先日の京都市長選挙でも、京都に乗り入れる際に京都の地下を通るので、1つのテーマになっていました。
飯田)トンネルを掘らなければいけない。
吉崎)京都は掘ったら必ず遺跡が出てくると決まっているので、市長選のイシューの1つでした。普通に考えれば米原にくっつけて、そのまま東海道新幹線に乗り入れる。そうすると新幹線の環状線ができるではないですか。
飯田)東京発東京行き。
吉崎)そうなれば楽しいですよね。
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