北朝鮮は「爆発しない時限爆弾」 日本海へ向け弾道ミサイル3発発射

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が3月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本海に向けて3発の弾道ミサイルを発射した北朝鮮について解説した。

北朝鮮の朝鮮人民軍の「重要作戦訓練基地」を訪れ、実動訓練を指導する金正恩朝鮮労働党総書記=2024年3月6日(朝鮮中央通信=共同) 写真提供:共同通信社

北朝鮮の朝鮮人民軍の「重要作戦訓練基地」を訪れ、実動訓練を指導する金正恩朝鮮労働党総書記=2024年3月6日(朝鮮中央通信=共同) 写真提供:共同通信社

北朝鮮が弾道ミサイル3発を発射 ~EEZ外に落下

飯田)北朝鮮が3月18日、弾道ミサイル3発を発射しました。

宮家)「挑発は許さない」と日米は言っていますが、私はこれは「挑発」ではないと思います。普通は相手に手を出させたいから「挑発」するのですが、北朝鮮はそうしたいわけではありません。米韓に手を出されたら北朝鮮は終わってしまいます。彼らは生き残るために核をつくり、テストして、うまくいったら実戦配備する。これを1994年から一貫して行っているのです。要するに「構ってちゃん」なのですよ。

北朝鮮は「爆発しない時限爆弾」

宮家)「私はこんな武器を持っているよ。だからもっと怖がってね」と言っているわけです。しかし、金正恩さんには申し訳ないのですが、いまの北朝鮮は「爆発しない時限爆弾」です。「時限爆弾だぞ、すごいだろう!」とカチャカチャ時計の音はしていますが、実は爆発しない。爆発したら自爆になってしまいますから。

飯田)自分にも被害が出る。

宮家)しかし、定期的に「時限爆弾だぞ」と示さないと、みんな怖がらないし忘れてしまう。ガザやウクライナへの対応で忙しいし、中国も怖いですから。北朝鮮の動きも困るのですが、彼らは自分たちの位置付けがわかっているので、あのようなことを行うのです。私は20年くらいこの話をしていますが、北朝鮮は全く変わりませんね。

90年代の段階で対応するべきだった

飯田)その間に技術は蓄積しているのですか?

宮家)高度化しています。おそらくミサイルも迎撃が難しくなり、核弾頭も小型化していく。いずれは多弾頭化し、さらに迎撃を難しくするでしょう。しかし、この技術はアメリカやロシアで言えば60~70年代の技術で、さすがに北朝鮮でも十分できるわけです。悔しいですが、我々は北の核開発阻止に失敗してしまった。90年代の段階でもう少し対応していたらよかったのですが……。

飯田)核合意などの話がありましたね。

宮家)あのようなものも含め、すべて巧くやられましたね。

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