昭和100年にあたる2025年。昭和という時代は、大正の終わりに発生した関東大震災からの復興とともに歩みだした。ニッポン放送では昭和100年を「防災100年の歴史」として捉え、2025年の1年間を通し、リスナーとともに防災を考える放送・企画『昭和100年は防災100年の歴史』を実施しているが、ニッポン放送平日朝のワイド番組『上柳昌彦 あさぼらけ』のパーソナリティ・上柳昌彦が岩手県大船渡市の山林火災の現場を取材した特別番組を放送することが決定した。
大船渡市は太平洋に面した東北の三陸海岸の中でも典型的なリアス式海岸を持ち、漁業が盛んな街。2011年3月11日の東日本大震災では最大10メートルに近い大津波に襲われ、街や主幹産業の水産業は壊滅的な被害を受けた。そんな大船渡市で今年2月26日、大規模山林火災が発生。1名が亡くなったほか、住宅を含む建物221棟が被害を受け、焼失した面積は、平成以降で最大となった。これは山手線の内側の面積のおよそ半分に迫り、大船渡市の面積のおよそ9%にあたる。

旧綾里中学校にて取材
上柳昌彦は東日本大震災をきっかけに大船渡市を訪問し、以降毎年に渡り同市を訪ねてきた。今回、『上柳昌彦 あさぼらけ』宛に、大船渡の山林火災についての悲痛なメッセージが届き、番組で紹介したことをきっかけに、現地取材をして山林火災の現場の生の声を伺うことを決意。発生40日後に鎮火が宣言されたことを受け、4月上旬に大船渡市で取材を行った模様をお送りする。

元正榮 北日本水産株式会社の古川さん
話を伺ったのは、実際に山火事の消火活動にあたった大船渡地区消防組合消防本部の方、被災現場となった綾里地区の中学校に勤めていらっしゃった先生、避難所となっていた公民館の館長、ブランドあわび「三陸翡翠あわび」を養殖している水産会社の方々。特に綾里地区のあわび養殖は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた中で、14年の年月をかけて復興したが、今回の山林火災で養殖していたあわび250万個はほぼ全滅し、損害額はおよそ5億円にのぼる。資材置き場や海水を汲み上げるポンプも焼けてしまい、養殖再開に向けては1億円程度の費用が見込まれている。そうした中でクラウドファンディングを立ち上げ、2度目の復興に向かう様子もお届けする。

あわびの養殖所を取材
日本の国土の7割が森林で、年間1300件も山火事が発生し、1日あたり東京ドーム半分弱の広さに当たる2ヘクタールの森林が燃えているという状況の中で、どのように山林と共生しながら、防いでいくのか。大船渡の現場の声に寄り添いながら、日本の山林の未来を考え、リスナーと共に防災を考えていく番組となる。

あわび養殖所の燃えてしまったポンプ
ニッポン放送特別番組『それでも桜は開花する~岩手県大船渡市 山林火災の現場から~』は、5月25日(日)25時40分~26時40分に放送される。関東エリアの方は、ニッポン放送にてラジオはAM1242、FM93.0で聴けるほかスマートフォン・パソコンからはradikoで聴くことができる。関東エリア以外の方は、radikoのエリアフリー機能を使えば、聴くことができる。また放送後にポッドキャストでも配信予定となっている。
■上柳昌彦コメント
生放送中に東日本大震災の揺れが襲う中、私はこみ上げてくる強烈な胃の痛みを押さえながらしゃべり続けました。3週間後、仙台の沿岸部に、7月には福島浜通りに入りました。翌年から毎年3月に東北3県を訪ねる中で、各地で様々なご縁を頂くことになりました。カレー南蛮がおいしい大船渡の百樹屋さんは津波で店が全壊したものの、移転先で見事に復活しました、しかし今度は山林火災が発生します。
大船渡湾を挟んだ赤崎町や綾里地区の山々が赤く燃え上がる中、百樹屋さんがこのようなメールを番組に送って下さいました。「天の神様 海の神様 山の神さま 私たち そんなに何か いけないことをしましたか? 今度は 希望を燃やし尽くしてしまうのですか…」山林火災と地震の二重被災の状況を調べるために大船渡に入ったのは4月11日。丁度ソメイヨシノが満開の時期でした。
【番組概要】
■番組タイトル「それでも桜は開花する~岩手県大船渡市 山林火災の現場から~』
■放送日時;2025年5月25日(日) 25時40分~26時40分
■出演者:上柳昌彦
■番組ハッシュタグ: #それでも桜は開花する