高嶋)今週の土曜日3月11日あの東日本大震災から6年を迎えます。
そこで今週1週間のやじうま好奇心の時間では、ニッポン放送報道部の記者が自らその足で被災地を訪れて、それぞれの視点で「被災地の今」についてリポートしてくれます。
最終日のきょうは、後藤誠一郎記者が「東日本大震災から6年 釜石の今」について現地から伝えてくれます。
高嶋)今、どこにいますか?
後藤)岩手県釜石市の大町(おおまち)におります。相変わらず、復興の為、多くのトラックが走っていまして、埃っぽいです。釜石市は東日本大震災で死者・行方不明者あわせて1,300人を超える被害がありました。私は三陸鉄道の復旧の取材もあって、この4年この町を毎年訪れています。
後藤)この1年大きな変化をあげるとしたら、復興住宅の建築。これは、かなり進んだという印象です。例えば、あまり見掛けなかった7階建ての鉄筋コンクリートのマンション、これが増えていますね。「災害公営住宅」と呼ばれるものですが、これが建っています。また、新しいホテルも建っています。かつての繁華街だった大町。津波が襲った地域ですが、この1年でかなりお店が戻ってきたそうなんです。
高嶋)復興の状況というのは?全体で言うと、進捗状況はどんな感じなんですか?
後藤)市街の中心部は戻ってきているが、北や南、少し離れると、まだまだ。釜石の少し北、鵜住居(うのすまい)地区。震災でかなり多くの被害が出たエリアです。去年あたりはほとんど更地。かさ上げだけが進んでいるエリアでした。実はこの鵜住居エリアは2年後の2019ラグビーワールドカップの復興スタジアムが建つ場所なんです。
高嶋)で、どうでしたか?
後藤)去年は完全に更地でした。今年も完全な更地です。道は出来ています。看板があって「競技場」と書かれた矢印もあります。ただ、競技場はまだありません。
後藤)悪い話ばかりではありません。そういった中、新たな名所が誕生。釜石漁火酒場「かまりば」という飲食店街が今年の1月27日にオープン。現在7店舗が入っていまして、4月中までに更に5店舗がオープンする予定なんです。
後藤)ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんが、「鉄の街」釜石にはかつて、多くの人があふれる「のん兵衛横丁」がありまして、最盛期には30を超える店舗が並ぶ飲食店街があったんです。。
しかし、震災による津波で、当時営業していた26店全てが流されてしまいました。
そこで再建を図って作られたのが、この仮設の「はまゆり商店街」、昨年末でも37店舗が営業をしていたんです。ところが、こちらは来年度3月末には営業を終える事になっています。先程、申し上げました漁火酒場「かまりば」に入る予定の店舗は全体でも12店舗。このうち、のん兵衛横丁から、ここに店舗を構えたのは3店舗に過ぎないんです。残りは新規事業者。他の事業者はいったいどうするつもりなんだというのが僕の取材の一つでもあったんです。
高嶋)交通機関はどうなんですか?
後藤)釜石~宮古間までのJRの山田線はまだ不通になっています。まさに工事が始まったというところで、平成30年度末までにJR東日本から三陸鉄道に運営を移管して再開予定です。工事している姿もありました。このあたりでは、あとの鉄道は復旧しています。
高嶋)2年後のラグビーワールドカップや飲屋街の復活などの話がありましたが、街の素朴な感じの所から、街の賑わいは育って行くんですよね。ラグビーファンは多いですから。
後藤)ラグビーワールドカップの看板やのぼりがもう少しあるのを期待していたんですが、そこまではまだ行ってなくて、これからという感じ。
高嶋)まだ、スタジアムに手がつけられていないというのは、驚きですね。
後藤誠一郎記者の「東日本大震災から6年・釜石の今」でした。
3月10日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より