受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』。
今回、お伺いする大学は三重県伊勢市にある「皇學館大学」になります。神道学科を有し、神職の養成をしている皇學館大学にて、教育方針や気になる学びの内容などをランパンプスがインタビューしてまいります!
――それでは、大学内に入って皇學館大学学長の齋藤平さんにお話しを聞きに行きましょう。
ランパンプス:ランパンプスと申します。よろしくお願いします。
齋藤:皇學館大学学長の齋藤です。よろしくお願いいたします。
小林:早速ですが、皇學館大学の創立の歴史を教えていただけますか?
齋藤:本学は1882年、明治15年に伊勢神宮の林崎文庫という文庫の中に「皇學館をつくろう」ということで設置されました。
小林:国が「大学をつくろう」と言い始めたということですか?
齋藤:そうですね。当時、西洋の文化が入ってきており、そういった欧化主義に対して「日本文化も大事なんじゃないか」ということでつくられたんです。
小林:それで、「神道の学校をつくろう」となったんですね。神道を学ぶ大学の学部が想像つかないんですが、どういう形になっているんですか?
齋藤:文学部、教育学部、現代日本社会学部の3学部構成です。
小林:学生数と、男女比はどうなっていますか?
齋藤:全体で、2417名で、文学部が1074名、教育学部が850名、現代日本社会学部が493名となっており、一学年600人弱になっております。男女比は6対4くらいで、男子の方が若干多いですね。
小林:現代日本社会学部では、どういうことを学ぶんですか?
齋藤:行政職や、自衛官、警察官等の公務員を養成するための学部になります。もちろん、一般企業に進む学生さんもいらっしゃいますが。
小林:人気のある学部はどこですか?
齋藤:本学は、戦前から、伝統的に教育学部の人気があるんです。作家の司馬遼太郎先生がエッセイの中で「国漢の教師養成の名門校」と書いてくれたこともあるくらい、昔から、教員養成をしてきた実績があります。
寺内:教員免許は小中高全部取得できるんですか?
齋藤:昔は、旧制中学、今の高校の先生を養成していたんですけれども、戦後には小学校も始まったので、今は、小中高、全て取得できます。ただ、公務員の採用実績も上がってきましたので、現代日本社会学部も人気ですね。
寺内:中高の科目は幅広く取得できるんですか?
齋藤:今、養成しているのは国語、英語、それから社会、地理ですけれども、数学、理科、保健体育の免許も取得できるようになります。
寺内:自然科学と人文科学のどちらもいけるんですね。
小林:あ、彼、教員免許持ってるんです(笑)。
齋藤:そうなんですね!
寺内:小中高、取得できるとなると、実習の回数も多いし、副免で忙しくなりますよね。
小林:ちょっと! 専門的なところまで行かないで!
寺内:小学校がメインで、中高も取るなら、教育実習に行けばいいんだけど、中高メインで取ってる人が、小学校も取得するとなったら全科の勉強をしないといけないから、そっちのほうが難しいんだよ。
小林:小学校から派生する方がいいんだ?
寺内:まあ、学ぶことをプラスアルファと考えればそうとも言えないけど。
齋藤:本学の教育学部も、基本初等教育がベースであって、それに、中等教育をつけ足していくという形になっています。
寺内:その辺は気になるところでした。
小林:「御校は、どういった形で教員免許を?」って(笑)?
寺内:私の目が光るところですね(笑)。
小林:全国で神道を学べる大学は2ヵ所という事なんですが、設立の背景をお伺いできますか?
齋藤:皇學館大学は、林崎文庫に設けられたことからもわかるように「日本文化の継承」が大きな目的の一つになっていますが、それに加えて、神職を養成することも目的としています。明治時代に、神社が国の管理する機関になっていた時期があったのですが、そうなると、そこで勤める神職の資格は、国家が保障する資格になります。その資格を取得するための学校として皇學館大学と、國學院大學が作られました。
寺内:考え方的には、当時の公務員みたいなものですか?
齋藤:現代日本社会学部の公務員養成とは直接繋がりはしないですが、立ち位置は似ているかもしれませんね。
小林:神道ではどういう学びをするんですか?
齋藤:「神道がどうして日本人の宗教として成り立ってきたのか、それによってどういう文化が発展してきたのか」などを学びます。もちろん、古事記、日本書紀、祝詞なども学びます。
小林:全学部が学ぶんですか?
齋藤:いえ、文学部の神道学科や神職課程履修者がそれを学びます。ただ、素養を身に付けるという意味合いで、共通科目として「皇学入門」を、全学部で、共通科目・必修としておいています。
小林:仏教大学だと、お寺の息子さんが入るイメージがあるんですけど、神道でもそういった形はあるんですか?
齋藤:もちろん神道にも社家(しゃけ)の方が入学されることもあります。
小林:鮭(しゃけ)は美味しいですよね。
齋藤:その鮭じゃなくて「お社を守る家」のことです(笑)。代々神職を務めてこられた家柄ですね。もちろん、一般家庭からの方も、神社のことを学びたいという方が多数いらっしゃいます。
小林:後々、神職に就かれる方もいらっしゃるんですか?
齋藤:年間70名ほどが神職に就いています。
寺内:神道を学べる場所ってもっとあっても良いと思うんですけど、2ヵ所しかないという理由があるんですか?
小林:敷居が高そうだよね。
齋藤:そういうことでもないとは思うんですけど、歴史的にそういうふうになっていますね。
寺内:2つの大学がしっかりあるから任せようか的な?
齋藤:新しい学校を作ろうという動きがなかったので、そういうことなんでしょう。戦前から、おおむね西日本は皇學館、東日本は國學院といった形になっています。
小林:「三重といえば伊勢神宮」というイメージがありますが、神宮のお膝元ならではの、交流や取り組みはあるんですか?
齋藤:「地域」ということでお話すると、2014年に文部科学省が「地(知)の拠点」というものを、地方の大学の中から選定したんですが、本学はそれに採択されて以来、地域の課題解決に取り組んでいます。実際に自治体や地域の企業さんが持つ課題を、学生と一緒に考えさせてもらっています。
小林:その一環で神宮と関わり合ったりするんですか?
齋藤:「地(知)の拠点」ではないんですけれど、令和15年のご遷宮に向けて、諸行事が始まるんですが、中でも「お木曳き(おきひき)」という、神宮の御社殿を造営する時の材木である「おき」を曳いて旧域まで運ぶ大きな行事には学生も参加しています。
小林:電車を運ぶようなイメージですか?
齋藤:それくらいの規模ですね。
寺内:神宮の「おき」は、神宮の近くの林で採れたものなんですか?
齋藤:大昔はそうでしたが、今は、木曽から木を得てきて建てています。当時は海を曳いて来ていたんですが、今はトラックで運んできて、最後に宮川や五十鈴川にて昔ながらの方法で市民の方が曳いています。
寺内:伊勢神宮とのコラボイベントですね!
小林:パズドラみたいに言うな(笑)。
齋藤:また、「参拝見学」ということもやっておりまして、バスに乗って、神宮ゆかりの地を訪ねて行くんですが、学生たちは「遠足」って呼んでいるんです。遠足じゃないんですが(笑)。
寺内:遠足(笑)!
小林:神道に関わるサークルやクラブはあるんですか?
齋藤:お祭りの仕方を学ぶ祭式研究部や、雅楽部などがありますね。
小林:元々はこちらも神宮の一部だったから、つながりも深いんですね。
齋藤:そういうことですね。
小林:受験の方法を教えていただけますか?
齋藤:大きく、総合型選抜と一般選抜に分かれており、総合型では、一般的なAO選考だけでなく、神職の後継者選考もあります。
小林:社家の方々の神パワーを測るような選考ですか(笑)?
寺内:神スカウターみたいなのがあって、数値が出て「今年、やばいやついるぞ」みたいな(笑)。
齋藤:スピリチュアルな方面で測るわけではないです(笑)。たとえば、神社検定という検定があるんですが、御存じですか?
寺内:参級を持っています!
齋藤:素晴らしい! あの中で問われている内容について理解があるかどうかの選考があります。一般入試は、指定校推薦と学校型推薦、ペーパーテストの一般入試と共通テスト利用で選考しています。
小林:学生さんの進路はどうなっていますか?
齋藤:令和6年度の就職状況を見ますと、就職希望者に対する就職率は99.7%で、本学としても過去最高となっています。
寺内:さすが! 学長の手腕ですね!
齋藤:とんでもないことです(笑)。
小林:やりすぎ!
寺内:やりすぎって言うな(笑)!
齋藤:文学部は神社、教員、企業が多く、教育学部は当然、教員です。現代日本社会学部は、公務員と企業ですが、企業は、文学部、現代日本社会学部共に、卸・小売りの業界に行く人が多いですね。
小林:どんな学生さん入っていただきたいですか?
齋藤:本学の卒業生の特色として「いつの間にか偉くなってる」というものがあるんです。
寺内:ちょっと待って! 見えざる手が働いて、卒業したらいつの間にか偉くなってるってことですか(笑)?
齋藤:エリート的に出世していくようなコースに進まなくても、じっくりと、着実に仕事をしていける人が多いんです。
寺内:めちゃくちゃ素敵じゃないですか!
齋藤:コツコツやっていくうちに「組織にとっては欠かせない人物」という位置づけになっていくんだと思います。そういう意味で、優等生でなくても、コツコツできる人や、きちんとした学習習慣が身についていて、何事にも真面目に取り組める人に来てもらいたいですね。
小林:いろんな大学さんに行かせてもらうんですけど「着実にやれる子はうちにぴったりだよ」って初めて聞きました。すごくいいですね!
寺内:「うちの大学を卒業したら、いつの間にか偉くなれるよ」って魅力的な言葉ですよね。もしかして、学長もいつの間にか偉く?
齋藤:いつの間にか偉くなってました(笑)。小学校に教育ボランティアに行きますと、校長先生以下、全ての教員が本学の卒業生という学校があったりするんですよ。驚きですよね(笑)。
小林:他県からも学生さんは来られるんですか?
齋藤:おおむね県内7割、県外3割となっています。特に神道学科は全国から来ています。
小林:学生たちは、伊勢市内で遊んでいるんですか?
齋藤:もちろん。伊勢という特色ある街で、しかも、適当に都会で適当に田舎なので、存分に、そういう雰囲気を味わっていただいていると思います。
寺内:昨日、僕らも前乗りでご飯を食べさせてもらったんですけど、ちょうどいい街ですよね(笑)。
小林:卒業後は、どんな人材に育ってほしいですか?
齋藤:さきほどのお話と似ているのですが、着実にミッションに取り組んでいける人になってもらいたいですね。以前聞いた話なんですけど、有名大学出身の方は大いに期待されるので、普通にしていると「○○大なのに」と言われてしまうらしいんです。その点、本学の卒業生には過度な期待は寄せられないので、普通にちょっとプラスアルファするだけで「皇學館大学出なのに、やるじゃないか」となるんです(笑)。
小林:それを学長が言えるのが素晴らしすぎます(笑)。
寺内:頑張れば頑張った分、評価されやすい大学ということですよね!
齋藤:そう思っています。もちろんコツコツやれることが前提ですが。
小林:最後に今頑張っている受験生にメッセージをお願いします。
齋藤:例年、合格者の方から「入学までにどんな勉強をしたらいいですか?」という質問を受けるのですが、大学での学びは、大学に入ってからやることなので「高校生のうちに身につけておくべきことをきちんと身につけておいてもらえれば」と返しています。なので、基礎の確認をしっかりしていただければと思います。
寺内:やはりコツコツですね!
齋藤:コツコツなんです。
小林:本日はありがとうございました。
斎藤:こちらこそ、ありがとうございました。
――それでは学食に行きましょう。
小林:私は「伊勢鶏マヨ丼」をいただきます。
小林:「なぜ、伊勢と付くんですか?」と聞きましたら「ただ付けてるだけ」とおっしゃっておりました(笑)。
寺内:いやいや、伊勢うどんのつゆって書いてあったよ!
小林:本当(笑)? それではいただきます!
小林:うまっ! 揚げたてだ!
寺内:美味しそうな音! タレは美味しい?
小林:めっちゃ美味い。タレ、買います!
寺内:揚げたては嬉しいよね。
小林:タレと海苔がかかっちゃえば間違いない!
寺内:若い頃は、丼ぶりの「海苔」の良さを気付けなかったけど、おじさんになるとめっちゃ嬉しいよね。
小林:マヨネーズがまた美味い!
寺内:さて、私は恒例のカレーをいただきます!
小林:僕らはもう見ただけで「ベタな学食カレーとは違う!」ってわかりますよね。
寺内:このカレーはちょっと期待を寄せちゃうよ!
小林:スタッフさんがさ、「なんで見ただけでわかるんですか?」って聞いてきたんだけどさ、僕ら何年大学のカレー食べてきたと思ってんだよ! 今回に関しては豚肉が見えるだけで、ベタな学食カレーでないことは一目瞭然だからね。
寺内:それではいただきます!
寺内:あ、美味……おおいしくらのすけ!
小林:それ、伊勢関係ある?
寺内:関係ない(笑)。いや、美味い! すごいコク。国生さゆりになっちゃう(笑)。
小林:ちなみにご飯の量は?
寺内:もちろん多いです。今日、確信したんですけど、全国の学食共通で、カレーだけご飯の量が2~3倍になります!
小林:エビデンスもあるよね(笑)。
寺内:本来、このご飯の量でカレーを食べるならこうです。
小林:それ先月もやってたよ?
寺内:でも、深いコクがあって美味しいカレーでございました!
――日本で2ヵ所しかない神職を養成する大学、皇學館大学はいかがでしたか?
小林:神道の学校で、しかも学長自らお話していただくということで最初は緊張しましたが、すごくフランクな方で気持ちを解いてもらえましたね。
寺内:本当に素敵な学長でした。
小林:名言がありましたね!
寺内:「うちの学生は期待されてない」と!
小林:それじゃない(笑)。「気づいたら偉くなっている」だよ!
寺内:でもさ、過度な期待をされていないから、いつの間にか成果が出て、プロジェクトの中心人物になっているってのも良かったよ。
小林:裏返して言えば「うちの学生はどこに出しても恥ずかしくないよ」ということだからね。
寺内:それをあの言い方できるんだから、学生さんに相当自信があるんだよ。
小林:神道の学校って、もうちょっと固いのかなって思ってたけど、全然そんなことなかったね。
寺内:広報の方も皆、優しくて、学校の事務局ってどこも忙しいのに、今日は笑顔で対応してもらえましたからね。学校全体が優しいんだろうな。
小林:学食のカレーはどうでした?
寺内:本当にコクがあって、国生さゆり! ほんとに美味しい蔵之介……ああ、これ記事になるのやだな(笑)。
小林:言わなきゃいいのに(笑)。
次回の『おうえんしナイト』は皇學館大学の後編としてランパンプスが現役の在学生にインタビューしてまいります。
<皇學館大学>
住所:〒516-8555 三重県伊勢市神田久志本町1704
HP:https://www.kogakkan-u.ac.jp/
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おうえんしナイト
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